京極高知 越前 敦賀城 敦賀 京極 叡山 大坂城 姫路城 高知

「いや、後より立った京極高知と、佐々行政などの人数が、夜泊りもせす、先を争うて、

「さ……刑部少輔様は、越前の敦賀城から御発向で、やはり今度の上杉攻めには、徳川内府様の

「さ……刑部少輔様は、越前の敦賀城から御発向で、やはり今度の上杉攻めには、徳川内府様の軍に従い

母に聞かされている平馬様とは――いや今は敦賀城の主となっている大谷刑部吉継様とは、どんな人であろうか？　

いた事がある。その貧しい郷士の子が、今の敦賀城の大谷刑部であった。珠のように端麗なお人であったと母

刑部とは、莫逆の友である。――佐和山と、敦賀とは離れていても、心はお互いに常に近かった。

は、もう関ノ藤川を渡りこえて、東軍の藤堂、京極、織田の大軍へ、奮刃をあげて、ぶつかっているのだ。

湖水はまだ明るかった。湖北の山々や、対岸の叡山、四明ヶ岳などは、もう夜の黒い相を纒っていたが、城の大

傾け、諸侯は、争って、幕下に参じ、でなければ大坂城と、徳川家と、七分三分に帰する所を狡く見ている。その

てくれ！　思いとまってくれ！　今、貴様が死んで大坂城はどうなるのだ！）

まだ太閤殿下在世の盛りだった。茶会が流行り事で、大坂城でも、醍醐でも、度々秀吉の催しがあり、諸侯も側衆も、それ

子としていた自分の才を認めて、その頃姫路城にいた羽柴秀吉に話し、初めて、秀吉という人物と自分との機縁

「いや、後より立った京極高知と、佐々行政などの人数が、夜泊りもせす、先を争うて