銀河まつり / 吉川英治
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も次席家老のせがれだっていうが、役名は火術自慢の松代藩でお狼火方っていうんだろう。おれも火いじり商売だ。同じ果し合いをやる
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老若およそ七十余名もいようか、黒々と居流れたありさま、鎌倉山のごとく綺羅星ではないが、なかなか物々しい評定ぶりである。
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これから持ち出そうというのは、その国の北信濃は戸狩村、俗に、花火村ともよぶ部落の煙火師生活のなかに起った恋愛
七之助は、戸狩村の煙火師だった。こんな山里に代々住んでいても、煙火師渡世の
土着の煙火師ばかりが三十戸もあるこの戸狩村には、冬のころから、松代藩のお狼火方の藩士が五人
十九日、二十九日、こう三日の晩には必ず戸狩村の者一同が、郷士の教来石兵助の家に集まって、仕事上の打合せを
「戸狩村にゃ、七がいるぜ」
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しかし、江戸では続々火災や死傷の惨害を起したりして、一時禁令になってしまっ
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場所は善光寺より四里、川中島から東南へのぼった千曲川の河畔。
粋な町、善光寺の権堂へは七の馴染が多かった。巽屋という茶屋の二階に
の侍たちの怒号が、七の耳におかしく聞えた。善光寺の境内を走って、裏山の中腹に腰をおろした時である。彼は
滅茶滅茶な火の乱舞、光の狂射、色の躍り、善光寺の町はあらゆる色に変って明滅した。空も地も気をそろえて
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著名なものとして、九州では赤間、三河では岡崎、尾張の木賊、越後の三条、信州では戸狩――殊に戸狩花火は
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「へえ、その七之助ならば、実あ、草津にいる伯母の容体が悪いっていうんで、一昨日、山越えで見舞いに行き
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たかくなり、国際花火の長崎を著名なものとして、九州では赤間、三河では岡崎、尾張の木賊、越後の三条、信州で
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その三河信州、両国の煙火試合は、いよいよ今年の秋ときまった。場所は信州方から出張って三
したのは、明治八年に洋行して大火傷を負って帰朝した両国の鍵屋弥兵衛が齎した研究の後である。――それまではなかった。七の放言
っかけに抛り上げたいような狂躁にも唆られる。だが、両国などの熱鬧した花火の晩のあと、暗い霧が落ちて、しいんと都会が冷たくな
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反動で、煙火熱は地方的にたかくなり、国際花火の長崎を著名なものとして、九州では赤間、三河では岡崎、尾張
長崎から買い入れた西洋薬品や硝石やその他の材料は、藩の手で供給
藩から渡してある硝石や薬品を使わんのだ。わざわざ長崎から高価な代金をもって取り寄せた材料をつかわずに、むさい墓場などを
そのわけですが、今ではあて字にもなりません。長崎からはいる蘭薬を二、三種あわせると無音狼火でも音のする
「こんどの仕事にゃ、何もかも、一切長崎仕込みのたねは使わねえつもりなんだ。意地だもの!」
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自分の生涯も、みんな花火にしてしまったという、千曲川の畔で聞いた、威勢のいい初秋の夜ばなしなので……。
場所は善光寺より四里、川中島から東南へのぼった千曲川の河畔。
姥捨と冠ヶ岳を右のほうに見ながら善光寺平を千曲川に沿って、二里ばかり上へ遡ると、山と山の間、すべて
調えて来た土器がここにあるから、お互いに、千曲川の水でも酌み合って、ゆっくりと腹をすえてかかろうではないか
、ぽかあ、と瞬間――ほんの瞬間、真っ赤な光を千曲川の水面に映した。
千曲川の暗い水面を、七は白い波影をあげて泳いでいた。
千曲川のことがあってから三日目の宵である。
んです、斬られるよりも、つらいんです、い、いっそ千曲川で私ゃあ……」