鳴門秘帖 05 剣山の巻 / 吉川英治

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地名一覧

柳川

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、徳大寺家の密使をはじめ、加担の西国大名、筑後の柳川、大洲の加藤、金森、鍋島、そのほかの藩から、それぞれの使者が徳島

大阪

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「徳島の御城下と大阪表に出店のある、四国屋のお久良様、たしか、そういったと思い

「そういう仲じゃ無理はねえ、そして、お久良は今大阪にいるはずだが、どうしてそんな打合せができたのか」

から推して、それが、ぴったりと四国屋の商船が、大阪表から阿波へさして出た日に符合していたので。

あの理智の澄んだ四国屋のお久良が、大阪表からつづらを首尾よく乗せただけで、阿波に到達した時の、より

江戸城

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たお前の秘密は、やはり一つの阿波の秘密だ。江戸城へはいい土産、それをつかんだなら阿波から足を抜こうと、一念に、

筑後

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の代表者、徳大寺家の密使をはじめ、加担の西国大名、筑後の柳川、大洲の加藤、金森、鍋島、そのほかの藩から、それぞれの使者

江戸

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「あれへ具足を着込ませたら、よもや江戸の青ひょろけた侍どもにひけはとるまい」

光明へ、弦之丞も一箇の武士として、栄光の江戸に迎えられる。

血をしぼってなしあげた穏密覚え書の一帖も、江戸の大府へ送り届ける頼りはなし、このまま木乃伊となる肋骨に、抱いてゆくより道

にも亡ぶに違いない。世の中が変っている、わしが江戸を出た時からもう元和寛永の世の中ではなかった。それから十幾年

「――江戸からお綱がまいりました。甲賀世阿弥様! 甲賀世阿弥様!」

「江戸へ」

「江戸へ」

のはわずらわしかろう。――意地といえば、二百年来、江戸の禄を食んだ家に生まれた江戸の武士、このきずなをどうしよう! 

、二百年来、江戸の禄を食んだ家に生まれた江戸の武士、このきずなをどうしよう! いや、それはもう、清濁の時流を

こうして、自分たちを徒労に空手で江戸へ帰そうという心か?

そちの手に返してやったら、お前はあれを持って江戸へ帰れ! そこには、お千絵殿の幸福やら、甲賀家の栄やら

岡崎

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ただけで、阿波に到達した時の、より以上きびしい岡崎の船関や、撫養の木戸の厳重を、案じていない筈はない。

医王山

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山は医王山の幽翠を背負って、閑古鳥でも啼きそうにさびていた。

「さっきから間の抜けた鈴を振って、しきりと医王山の境内をウロついていた奴だろう。それがどうしたンだ?」

「騒ぐなッ、ここは医王山の霊域、汝ら、不浄な血と死骸を積んで、寺社奉行への申しわけ

それは弦之丞が、医王山の境内でも廃寺の折でも隙を見るや一散に逃げ去ったことであきらか

徳島

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雄大な雲の峰の下に、徳島の城下は、海の端に平たく見えて、瓦も焼けるようなギラギラする

徳島城の出丸櫓は、もうあらかた工事ができている。今は、いつか

あまたの若侍と一緒に、徳島城の大手から津田の浜へ、悍馬をとばしてゆく重喜の姿をよく

、金森、鍋島、そのほかの藩から、それぞれの使者が徳島城に集まって、幕府討て! 大義にくみせよ! の最後にして

弦之丞の変幻自在なことから推しても、ヒョッとすると、徳島の城下あたりを澄まして歩いているような気がする。

ただ、あの暴風雨から数日の後、徳島より南の燧崎に、一枚の渋合羽が流れついたということ

程の刀を研ぐ腕の研師はありますまいから、わざわざ徳島の城下まで持ってきたに違いありません。ことに、その刀も

「これや、私が徳島の城下はずれで、フイと拾った物なんです。落し主は、こちらの

「一昨日はたしか徳島にいなすった」

は何か、先刻おれが返してやった平鑿を、徳島のどこでなくしたか気がついているか?」

「オイオイ、駄目だ駄目だ、逃げようたって逃がしゃあしねえ。徳島奉行の御配下で、釘抜きの眼八といわれている鬼手先だ。

「じゃてめえは、旅人といっていたが、徳島から潜りこんできやがった岡ッ引だな!」

「徳島へ出かけたついでに、刀を受け取ってきたのはたしかだが、それ

「徳島の御城下と大阪表に出店のある、四国屋のお久良様、たしか

「徳島訛りか、それとも日和佐の船頭か」

桐井角兵衛のさしずで、少し遅れて出張ってきた徳島の町同心、浅間丈太郎、田宮善助、助同心岡村勘解由。

折から、助勢にきて打合せ中の徳島同心、浅間、岡村、田宮の三名も加わって、捕手はうしろ巻きと

てみせなければならないのではないか。それを、徳島から釘抜きの眼八様が助に来てやっているんだ。おまけに

海部側も徳島側も、もうケチな仲間割れをいいあっているひまはない。

と、徳島の同心浅間丈太郎と田宮善助が、火事を消したように一同をねぎらった

ているんだ。退け退けッ、海部代官所の者と徳島同心の方が、縄付をつれて通るところだ。動かねえと蹴飛ばすぞ!

浅間丈太郎、田宮善助、徳島側の者も何事かと騒いで、捕手を排して進んできた。

との間に、氷のような無言が張りつまった。徳島の城下はいうまでもなく、八郡の代官手代が、血眼になって

弦之丞とお綱よりは、二日半ほど早く徳島の城下を出ている竹屋三位卿とほか三人組が、急いで行っ

深夜、廃寺の方丈から、ふたたび徳島海部の同心に追われた弦之丞とお綱は、あれから、深林、

ついては、漠然として疑惧をもっただけで、徳島の城下を離れてきた有村や三人組、もとより間髪の差で、ここ

にいるのは、御城内のお公卿様、わっしは、徳島御奉行の下廻り、釘抜きの眼八という者でございます」

ぬところはない。まだ誰に話したこともないが、徳島城の殿中にまで、わしの足跡が印してある。そして、一番永く身

綱とを追跡して、からくも駈けつけてきた海部と徳島の役人、浅間、岡村、田宮の三同心。

、最難関と思われる貞光口の木戸を斬り破って、徳島の城下へまぎれこむ。――だが、剣は守るべく、頼るに絶対の

長崎

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「その十九日の朝、棟梁が突然、小松島に長崎型の船が入っているから、仕事のために見ておこうといって

長崎沖渡しで、蛮船から禁制の火薬や兵器を買いこむため、一時、蜂須賀

いわれているくらいなものだ。仲間の脱走者で、長崎の果てまで逃げたやつがあるが、老人はいながらにして、その