本郷 北海道 関西 大阪 佐土原町 小石川 払方町 日比谷公園 広島 神戸 東京 麹町 日本橋 銀座 神保町 日比谷 京橋

夕食後、堀尾君は奥田君を訪れた。本郷から九段上、卒業試験が済んで以来、隔日に通う。押した電鈴に

堀尾君は東京駅から本郷の下宿へ駈けつけて荷物を置くと直ぐに西本教授を訪れた。先生も矢張り

「太田も北海道の炭鉱鉄道へ定るらしい。皆遠いよ、成績の好くない奴は」

△三井物産会社員岩崎悌四郎氏　関西出張帰東の途次昨夜馬橋村へ帰省。

「大阪で会社の専務取締をやっている」

問題だ。その辺の道理を説明したら、納得して大阪へ行った。以来何年だろう？　もう十年ぐらいになるよ」

君のところは小石川だった。ブラ／＼歩いて牛込の佐土原町へ差しかゝった時、

間瀬君のところは小石川だった。ブラ／＼歩いて牛込の佐土原町へ差しかゝった時、

「ふうむ。僕は払方町だよ」

「堀尾君、日比谷公園で熊が猿を食ったそうだから、直ぐ行って見て来てくれ

「広島からお嫁さんを貰うことを何故黙っているんだい？」

二人は神戸あたりまで話し続けた。それから寝た。堀尾君は時折目を覚ました

「東京の人かい？」

「斯うやって東京で待っているのかい？」

や五度は出られそうな身代である。堀尾君は東京では一介の学生でも、郷里へ帰ると豪いものだ。親父が大

来るとも。番をするほどなんて有りゃしない。しかし郷里か東京かってんだから、探す範囲が狭い」

「僕は東京丈けだ。成行に委せる。足掻いても駄目と見越がついたから、当分

をしていたのである。絶筆になった手紙も東京の岡村さんへ正晴君の修業について頼んだものだった。

仲が好い。小学校中学校を通しての級友だったし、東京へ出てからも始終往来をしていた。尚お悌四郎君は

。道子さんのお婿さんということが知れ渡っていて東京ほどの遠慮がなかった。着いた晩、奥田君のお父さんが稍※改まっ

「東京へお帰りになったら、矢っ張り麹町へ来て下さる？」

「東京へ帰っても淋しくなります」

「東京へ行くんだ」

と堀尾君は祝した。間瀬君は卒業早々東京の或裕福な家庭から養子に懇望されて、もう話が定っている

「それまで東京にいるようだったら、無論出席する」

「東京にいるのは誰と誰だろうな？」

「君は一体何の用で今頃東京へ行くんだい？」

「東京に丈けは石に齧りついても踏み留りたいんです」

「東京で会社の口と。範囲が狭いな」

「未だ分りませんが、序ですから、兄は姉に東京見物をさせるんですって」

正晴君は○○県の素封家堀尾茂作氏の次男、東京○○新聞社員、帝大法科出身の秀才であります。由来、披露式上

次に東京○○新聞社の編輯長木下さんが立ち上った。

「麹町のことを考えてらしったのよ」

「東京へお帰りになったら、矢っ張り麹町へ来て下さる？」

その午後、堀尾君は容を改めて、日本橋の○○紡績株式会社へ出頭した。専務取締への添書には霊験灼か

と堀尾君は銀座へ向った。会う丈けは直ぐに会える積りでいたが、当が外れ

「しかしこの間の晩、奥さんらしい女性と二人で銀座を歩いていたぜ」

と相手は睨んで、そのまゝ黙った。折から神保町の停留場だった。

日比谷の大神宮で式を挙げて築地の精養軒で披露をする。これがその頃

ついて某博士の談話を取りに行ったのが一回、京橋あたりで水道の鉄管が破れて往来が水になった時駈けて行った