お台場 番町 本郷 アルプス 名古屋 本能寺 日本アルプス 渋谷 新橋 品川 東京 銀座 麹町

「大丈夫だ。お台場の少しむこうだもの」

伯爵家の話が出た。なんだかわからないが、番町のおやしきからのおさたはみんなの心持ちを陽気にした。

さて、内藤さんは翌朝八時半に番町のおやしきへ出頭した。家令の富田さんもちょうど出勤したところで、

法螺をふいたのだった。このゆえにその日放課後、番町の花岡家へたちよって林の中の蜂の巣に見参した時、

会議だ。あんまりむりなことをいうようなら、僕いって本郷の叔父様に訴えてやります」

「違います、西洋では名ある貴族が競ってアルプス登山を試みます」

なにを苦しんで西洋名を用いますか？　先年私は名古屋へまいって、日本ラインというところへ案内されました。これがまた気

と篠崎生もあたってみた。しかし敵は本能寺にある。

「ご登山のことでございますが、第一、私は日本アルプスという言葉が気に入りません」

下渋谷の内藤家では、

「いや、新橋ステンショの下等待合室と思わなければなりません」

「品川沖だ。きみは釣魚にいったことがあるかい？」

「品川で鯛が釣れてたまるものか？」

「若様、明日の朝は品川まで歩くんですか？」

「杉山なんかとてもあてにならない。なにしろ品川湾は日本三大急流の一つだからね」

日曜の朝、品川の船宿からこぎだした時、

と皆も笑った。品川沖の件である。

お答え申しあげました。『実に結構なものじゃの。東京では見たことも聞いたこともない。早速購い求めて屋敷へ送る

「それじゃ久しぶりで銀座へつれていってやろうか」

年の暮れの銀座はことににぎやかだ、兄弟は人浪に押されながら歩いた。

銀座をブラブラ散歩するから銀ブラである。

「しかし改心はほんとうです。僕はおとといの晩銀座で会いました」

「僕のところは麹町三丁目三番地だ。明日出せば元日に着く」

麹町区麹町三丁目三番地

麹町区麹町三丁目三番地

「おやしきは麹町だそうだよ」