谷より峰へ峰より谷へ / 小島烏水

谷より峰へ峰より谷へのword cloud

地名一覧

槍ヶ岳

地名をクリックすると地図が表示されます

穂高岳より槍ヶ岳まで岩壁伝いの日誌(明治四十四年七月)

槍ヶ岳(中の岳)、槍の大喰岳を経て、槍ヶ岳に到り、頂下に一泊。

間もなく戻って来て、おやじの嘉門次が、お客さまを槍ヶ岳と穂高へ案内して、少し足を痛め、小舎(宮川の)に帰って

の脈から、左の方の低い尾根へと取れば、槍ヶ岳へ行かれるのであるが、私は穂高の峰々を片ッ端から踏んで見たく

槍ヶ岳への岐れ路まで戻って来ると、人夫は親子連れの雷鳥を、石で撲ち

ばかり磊々として、小さく堆かくなっている、ここは槍ヶ岳へも、岳川岳から岩壁伝いに乗鞍岳へも、また奥穂高へも、行か

穂高岳より槍ヶ岳へ

出ているのであるが、その中でも穂高岳から槍ヶ岳へとつづく岩石の軌道は、堅硬に引き締まって、いつも重たい水蒸気に洗われ

槍ヶ岳が一穂の尖先を天に向けて立っている、白山が殆んど全容をあらわして

ている、峻酷なる死、そのものを仰視するような槍ヶ岳は、槍の大喰岳を小脇に抱え、常念岳を東に、蓮華、鷲羽

槍ヶ岳はいよいよ近く、小槍ヶ岳を先手として、間の「槍の大喰岳」

二分した槍の大喰岳を通過してしまい、やっと槍ヶ岳の根元へついた、そうして去年も登った槍ヶ岳を、しみじみと見上げた

やっと槍ヶ岳の根元へついた、そうして去年も登った槍ヶ岳を、しみじみと見上げたが、この何万年も不眠症でいる、原始の巨人は

槍ヶ岳のすぐそば――といっても、蒲田谷へ向い気味で、やや下った

、露営地にいると、わずか二、三丁ばかり背後の槍ヶ岳も、兀々と散乱した石の小隆起に遮られて、見えないので

いま夕日は赤く照り返しをはじめて、槍ヶ岳の山稜は、赤い煙硝を燃やしたようにボーッとなった、岳から壊れ落ちた

の上を截ち切るように、高く繞ぐっているのは、槍ヶ岳から穂高岳、岳川岳へとかけた岩石の大屏風で、両方とも肩を

なって、谷の隈に捨てられている、昨日通った槍ヶ岳の山稜から、穂高岳へとかけて大きく彎曲した、雁木のようなギザギザ

降り出されるほど、滅入った気になることはない、ゆうべ槍ヶ岳の峰頭から見た、北の空の燃え抜けるように美しい夕日も、今に

槍ヶ岳から落ちるという槍沢は、崖になって、雪が綿のように白い、

、小槍ヶ岳(新称)、槍の大喰岳を登り、槍ヶ岳から蒲田谷へ下りて、硫烟のさまよう焼岳を雨もよいの中に越え、

てだと言っていた、岩石の連嶺は、ここで槍ヶ岳から、蒲田谷を包み、焼岳を回ぐって、びったりと素の位置

、ひろげたりして、右へ右へと大身の槍の槍ヶ岳まで、半天の空を黒く截ち切っている、三木槍の頭は、尖った岩石

小谷

地名をクリックすると地図が表示されます

魚は殊に、籔の下へ隠れるものだそうで、やはり小谷よりも本谷に多くいる、漁れるのは旧の三月から十月頃までで

大天井岳

地名をクリックすると地図が表示されます

の下り道を走って下りた、穂高のうしろに低く聳えた大天井岳と常念岳が、夕日の照り返しを受けて、萌黄色にパッと明るくなっている

がかった雲の中に沈没している、常念岳や、大天井岳は、谷一つの向いに近く、富士と八ヶ岳は、夢のように空

ところ嫌わず緑青の塊をなすりつけている、東の方に大天井岳や、燕岳が見えはじめたが、野口の五郎岳あたりから北は、雪に

や、偃松を捉まえて、やっと這い上った、常念岳や大天井岳が、東の空に見える、谷底から、霧は噴梱のように、ボツボツ

南岳

地名をクリックすると地図が表示されます

北穂高岳)に登り、山稜を北行して、東穂高岳、南岳を経て、小槍ヶ岳(中の岳)、槍の大喰岳を経て、

間もなく南岳の三角測量標に着いた、岳という名はつけられたものの、緩やかな

大喰岳

地名をクリックすると地図が表示されます

南岳を経て、小槍ヶ岳(中の岳)、槍の大喰岳を経て、槍ヶ岳に到り、頂下に一泊。

なる死、そのものを仰視するような槍ヶ岳は、槍の大喰岳を小脇に抱え、常念岳を東に、蓮華、鷲羽から、黒岳を北に

を北に指さして、岩壁の半圏をめぐらしている、大喰岳の雲の白さよ、蒲田谷へとそそぐ「白出しの沢」は、糸

近く、小槍ヶ岳を先手として、間の「槍の大喰岳」を挟んでいる、小槍ヶ岳の岩石は、鼠色にぼけて、ツガザクラの寸

絶壁の頭を越して、峰頭の二分した槍の大喰岳を通過してしまい、やっと槍ヶ岳の根元へついた、そうして去年も登っ

尾根伝いに走って、小槍ヶ岳(新称)、槍の大喰岳を登り、槍ヶ岳から蒲田谷へ下りて、硫烟のさまよう焼岳を雨もよいの

金峰山

地名をクリックすると地図が表示されます

から南へかけて、富士山、甲斐駒、赤石山系の山々、金峰山、八ヶ岳、立科山が、虚空にずらりと立ち並ぶ、西の方はと見れば、

八ヶ岳

地名をクリックすると地図が表示されます

そうな碧の肌が、麗わしく泛び出た、やや遠くは八ヶ岳、近くは蝶ヶ岳が、雲の海に段々沈んでゆきそうだ。

大天井岳は、谷一つの向いに近く、富士と八ヶ岳は、夢のように空に融けようとしている、北では鹿島鎗ヶ

かけて、登りはじめる、尾根へ近くかかるとき、富士山や、八ヶ岳や、立科山の、悠ったりと緩やかな傾斜が、いかにも情緒的の柔らか

へかけて、富士山、甲斐駒、赤石山系の山々、金峰山、八ヶ岳、立科山が、虚空にずらりと立ち並ぶ、西の方はと見れば、白山

屏風岳

地名をクリックすると地図が表示されます

屏風岳は、近く眼前に立て廻され、遥かに高く常念岳は、赭っちゃけた山骨に

乗鞍岳

地名をクリックすると地図が表示されます

泥を洗い落している、共稼ぎらしい男女もある、穂高山と乗鞍岳は、窓から始終仰がれていたが、灰の主(焼岳)は

乗鞍岳は、始終よく見えたが、林に入る頃には、前山に近くなった

埋まった森の中に、水銀が湛えられる、その上に乗鞍岳が、峻厳にそそり立って、胴から上を雲に没している。

こえて、赤く薙いだ阿房峠が低く走り、その上に乗鞍岳の頂上が全容をあらわした、左の肩の最高峰朝日岳には、雪が

岳は焼け爛れた顔面を、半分見せたきりであるが、乗鞍岳はいよいよ高く、虚空を抜いて来た、岳川岳には殆んど雪がなく、

、里の方へと下りてゆくのが、まだつづく、乗鞍岳の左肩に、御嶽は円錐形の傾斜を長く引いて、弱い紺色に日を

ている、ここは槍ヶ岳へも、岳川岳から岩壁伝いに乗鞍岳へも、また奥穂高へも、行かれるところで、三方への追分路である

が這い上って来る、焼岳の左の肩を超えて、乗鞍岳の一角が見え初めた。

いうより、押し登って行くと、鼻っ先の風露草とすれすれに、乗鞍岳はもう雲の火焔に包まれている、眼前の岩壁には、白樺の細木

赤石山系

地名をクリックすると地図が表示されます

、鳶色の上著に白雪の襟飾りをつけ、遥かに遠く赤石山系は、鼠がかった雲の中に沈没している、常念岳や、大天井

、ついと出る、東から南へかけて、富士山、甲斐駒、赤石山系の山々、金峰山、八ヶ岳、立科山が、虚空にずらりと立ち並ぶ、西の方

桔梗ヶ原

地名をクリックすると地図が表示されます

汽車が桔梗ヶ原を通行するとき、原には埃と見紛わぬほどに、灰が白くかかって

硫黄山

地名をクリックすると地図が表示されます

を渉り、中尾を経て、割谷に沿い、焼岳(硫黄山)の新旧噴火口を探りて、再び上高地温泉に一泊。

北穂高岳

地名をクリックすると地図が表示されます

二十二日 石小舎を出発して、涸沢岳(北穂高岳)に登り、山稜を北行して、東穂高岳、南岳を経て、小槍ヶ岳

(明神岳または南穂高岳)、奥穂高岳、涸沢岳(北穂高岳)、東穂高岳などの穂高群峰を、尾根伝いに走って、小槍ヶ岳(

笠ヶ岳

地名をクリックすると地図が表示されます

こんな話が、私と嘉代吉の間に取り交わされた、笠ヶ岳はまともに大きく見える。

霧がすっきりと霽れて、前には笠ヶ岳の大尾根が、赭っちゃけた紅殻色の膚をあらわし、小笠から大笠へと

夜中からは、ざんざ降りで、尾根伝いの笠ヶ岳登りを見合せて、蒲田谷へ下りるより、外にしようはなかった。

で、こっちが右俣谷である、左俣谷の上に、笠ヶ岳の長い尾根が高く列なっているのと向い合って、右俣谷の上を截ち切るよう

絶え間を仰向いて言ったが、私は、ことしもしくじった笠ヶ岳の残雪に、執念を残さないわけにはゆかなかった。

岩石の大集塊が、延びあがり、谷一つを隔てて笠ヶ岳が頭を出して来た。

朝日岳

地名をクリックすると地図が表示されます

乗鞍岳の頂上が全容をあらわした、左の肩の最高峰朝日岳には、雪が縦縞の白い斑を入れている、小さな蚋が眼の前

霞沢岳

地名をクリックすると地図が表示されます

が、干かしてある、梓川を隔てて、対岸の霞沢岳の頂は、坊主頭や半禿げの頭を、いくつか振り立てて、白雲母花崗岩の

山だか、白金のように混沌として分らない、霞沢岳や八右衛門岳は、その反射を受けて、岩塊が鮮やかに白くなるが、あまり

である、そうして梓川の大動脈を間に挟んで、霞沢岳は穂高岳とさし向いになっている、両方の山とも、鋸の歯のよう

とはいえ、霧は殆んどなく、その頃になると、霞沢岳は、裾がまだ緑であるのに、中腹はモミジで紅く燃えるようになり

咲く、それが見る見るうちに、もつれ合って、大きくひろがると、霞沢岳でも、穂高岳でも、胸から上に怖ろしく高い水平線が出来て、ピタピタ

どっしりと、鈍円錐形を据えて、褪せた桔梗色の霞沢岳は、去年ながらの枯木の乱れた間から、白雲母花崗岩の白砂を、雪の

吹き靡いている、私の立っているところは、もう向う側の霞沢岳の頂上に、手が達きそうになって、岳の右の肩に、三角

)谷も瞰下される、蝶ヶ岳も眼下に低くなって、霞沢岳は、雲で截ち切られてしまっている、この蝶ヶ岳、霞沢岳、焼岳の

岳は、雲で截ち切られてしまっている、この蝶ヶ岳、霞沢岳、焼岳の直下を、蛇のように小さくのたくっている梓川の本谷まで、

松本市

地名をクリックすると地図が表示されます

二十日 松本市より島々まで馬車、島々谷を溯り、徳本峠を踰え、上高地温泉に一泊

松本市で汽車を下りたが、青々とした山で、方々を囲まれてい

アルプス

地名をクリックすると地図が表示されます

の間から、北の方に、藍※色に冴えかえったアルプスの山々を見ると、深沈とした空の碧さと冷たさが、頭脳の中

馬車は揺られながら、入って行くので、間もなく、アルプスの駅路に突き当りそうなものだという感じを、誰にも抱かせる。

あるまいか、何故といって、秘密の美しさは、アルプスの夕暮の谷にのみ、気を許して覗わせるからである、そんなことを考え

西穂高岳

地名をクリックすると地図が表示されます

日 穂高岳を北口より登り、穂高岳と岳川岳(西穂高岳)の切れ目より、南行して御幣岳(南穂高岳または明神岳)の

私のいう西穂高岳へ出ると、ここに、もとは三角測量標があったということであるが

浅間山

地名をクリックすると地図が表示されます

へ引き落されるように見入りながら、岩壁を這ってゆくと、浅間山の煙が、まぼろしのように、遠い雲の海から、すーっと立っている、

白馬岳

地名をクリックすると地図が表示されます

融けようとしている、北では鹿島鎗ヶ岳と、白馬岳を見たが、半分は雲に没して、そこから低く南走した山

梓川

地名をクリックすると地図が表示されます

の来路と合し、降路は下宮川谷に入りて、梓川に下り、上高地温泉に帰宿。

林の中で働いている、林を出切ると、もう梓川に沿って、山の狭い懐中へと、馬車は揺られながら、入って行くの

ている、石灰岩の上を流れるために、いつも濁っている梓川の本流に、この島々谷の水が、いきおい込んで突きかかるところは、灰と緑

の署名をして行くのがこの灰である、先刻の梓川の河原にもあった、古楊にもあった、葛の裏葉にもつい

、北東へ向けては岳川岳の大障壁が出て、梓川の谷間へどっしりと重たく、幅を利かしている、鶯はせせこましく、夕の空気

白樺の森も、梓川の清流も、眼に入らばこそ――足許が少しでも、物色の出来る

うちにと、ひたすら路を貪って、峠からひた押しに、梓川の森の下道に入る、青い草が絨氈のようにふっくりして、くたびれた足を

橋を渡って、竹籔の中を、しゃにむに押し分け、梓川の水面を見ながら、森の中を三、四町往ったかとおもうと

畔には川楊が行列をして、その間から、梓川の本流が、漫々と油のような水を湛えて、ぬるぬる流れている、

ような水を湛えて、ぬるぬる流れている、この温泉は梓川の河原から湧いて出ると言って、いいくらいに、本流に近いのである

、物干棹には浴衣などが、干かしてある、梓川を隔てて、対岸の霞沢岳の頂は、坊主頭や半禿げの頭を、

が、翠の葉を、川のおもてに捌いている、梓川は温泉宿の前まで来るうちに、多くの沢水をあつめ、この辺から太く

の夜の残りが漂っているようである、そうして梓川の大動脈を間に挟んで、霞沢岳は穂高岳とさし向いになっている、

ている、こういうときには、平常緩やかな傾斜を、梓川まで放出して、低く見える焼岳までが、緑の奥行きを深くして、

を切って落したような雲が、白く浮いている、梓川の水は、大手を切って、気持のいいように、何の滞もなく

かかるゆうべに、この美しい梓川の水に、微塵も汚れのない、雪のように肌の浄い乙女がどこ

凸凹のないところは、ないくらいな山の中にも、梓川が、静かな平坦な大道路となって、森の中を幅びろくの

の露が一杯である、林が一と先ず切れると、梓川の本流がうす暗い緑色になって、浅く流れている、青海原の強い潮流が

ように白くなっている、穂高山の方から、岳川が梓川の本流に突っ込んで来るところで、嘉代吉は若い男を振りかえって「兄ぇ

が白くなだれをうって、怖ろしい「押し出し」となって、梓川の谷まで一と息に突き切っている。

走りはじめたので、もう雪が近いとおもわれた、梓川は寸線にちぢまり、焼岳は焼け爛れた顔面を、半分見せたきりである

、世に見らるる限りの、壮大なる垂直線をして、梓川と蒲田谷の中間にズリ落ち、重たい水蒸気が溜息を吐くように、谷の

眼の下に遠く梓川は、S字状に蜿ねっている、私の足音につれて、石が

の谷へと白く走っている、御幣岳からずり下りに、梓川の方へと立て廻わす大岩壁は、屏風岩とも、仙人岩とも言う

三角測量標のあるのが、分明に見える、眼の下に梓川の水は、藍瓶を傾むけたような大空の下に、錆ついた鉱物でも

、焼岳の直下を、蛇のように小さくのたくっている梓川の本谷まで、私の立ってる山稜からは、逆落しに、まっしぐらに、遮るもの

路の長さだけでも、一里あるというが、梓川の谷までは、直線に下っても、二里半はあろう、前後左右の

に、剛い笹ッ葉で、手足が生傷だらけになって梓川の本谷――それは登るときに徒渉したところより、約十町の川上

あるは、御幣岳の北部より下れる一支峰にして、梓川に臨み、上高地温泉または河童橋より、最も近く望見し得らるる、三角測量標

前穂高岳

地名をクリックすると地図が表示されます

石の路を、殆んど登りつめたところから、左へ切れこみ、前穂高岳の三角測量標を仰ぎながら、草原に入ると、傾斜はいよいよ峻急になって

奥穂高岳

地名をクリックすると地図が表示されます

(南穂高岳または明神岳)の一角に達し、引き返して奥穂高岳に登り、横尾の涸沢に下り、石小舎に一泊。

、嘉代吉が指さす、その霧のぴしゃぴしゃささやぐ間を、奥穂高岳の絶頂へと辿りついたが、残雪は六尺ばかり高く築いて、添った壁

の温泉から、御幣岳(明神岳または南穂高岳)、奥穂高岳、涸沢岳(北穂高岳)、東穂高岳などの穂高群峰を、尾根伝いに

塊に鋳固められたように黒くなって、その裏を奥穂高岳の尾根が、肩幅濶くぶっ違いに走っている、三本槍の間には

御嶽

地名をクリックすると地図が表示されます

下りてゆくのが、まだつづく、乗鞍岳の左肩に、御嶽は円錐形の傾斜を長く引いて、弱い紺色に日を含んだ萌黄色が、

富士山

地名をクリックすると地図が表示されます

はじめた、東の空に、どうしても忘れられない富士山が、清冷凜烈なる高層の空気に、よくも溶けないとおもわれるような

を峰へかけて、登りはじめる、尾根へ近くかかるとき、富士山や、八ヶ岳や、立科山の、悠ったりと緩やかな傾斜が、いかにも

の三角測量標が、ついと出る、東から南へかけて、富士山、甲斐駒、赤石山系の山々、金峰山、八ヶ岳、立科山が、虚空にずらりと

赤沢岳

地名をクリックすると地図が表示されます

の天に参している、その迂廻した峰つづきの、赤沢岳の裏地は、珊瑚のように赤染めになっている、振りかえれば、今しがた綱

を派して、谷へ走りこみ、その谷の向うには、赤沢岳が聳えて、三角測量が、天辺につんとしている、これから尾根伝い

涸沢岳

地名をクリックすると地図が表示されます

二十二日 石小舎を出発して、涸沢岳(北穂高岳)に登り、山稜を北行して、東穂高岳、南岳を経て

狭いまでに喰い合っている、尾根にすぐ近くなって、涸沢岳(北穂高)の三角測量標が、ついと出る、東から南へかけて、富士山、

、御幣岳(明神岳または南穂高岳)、奥穂高岳、涸沢岳(北穂高岳)、東穂高岳などの穂高群峰を、尾根伝いに走って、

塩尻

地名をクリックすると地図が表示されます

は、あれがきのう降った焼岳の灰で、村井や塩尻は、そりゃひどうござんした、屋根などは、パリパリいって、針で突っつくよう

日本アルプス

地名をクリックすると地図が表示されます

雁木の凹みのように、小さな峰が分れて、そこから日本アルプスの禿げた頭が、ぐいと出ている、雪の線が二筋三筋

とした山々が、幾重にも襟を掻き合せて、日本アルプスの御幣のような山々を、その背後に封鎖して、見せようともしない

登ったが、この二丁ばかりの峻直なる岩壁は、日本アルプスにも、比いの多からぬ嶮しさであった、そうして登りよりも

ようになって、赤銅色に燻ぶったかとおもうと、日本アルプスの山々は、回帰線でもあるかのように、雲の中を一筋に放射

千曲川

地名をクリックすると地図が表示されます

、栗の青葉にバサバサ音をさせて、その行く末は千曲川の瀬音をみだしている、立場の茶屋の前を、水がちょろちょろ流れて