高山の雪 / 小島烏水
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で見た、黒い雪ばかりじゃない、「赤い雪」も槍ヶ岳で私の実見したところである。私は『日本アルプス』第二巻で
なるので、あまり珍しいものではないそうである、但し槍ヶ岳で見たのも、同種のものであるや否やは、断言出来ないが
槍ヶ岳(三千百八十米突) 十月十九日 白馬岳(二千九百三十三米突) 同上
この標高は槍ヶ岳と白馬岳とを除いて、従来の地理書に従ったのであるから、当に
の地蔵仏は、結晶岩なる花崗石で、飛騨山脈の槍ヶ岳(三一八〇米突)は石英斑岩の硬石である。また粘板岩や砂岩のよう
破片のように滅茶滅茶にして散乱させる。飛騨山脈の槍ヶ岳から鎌尾根という山稜にかかる辺に、その岩石は洪水のように溢れて
信州黒部の五郎岳(二八四〇米突)などで、一体に槍ヶ岳から以北、即ち立山山脈、または後立山山脈に頗る多い。私が薬師岳
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しまうからだ。殊に日本北アルプスの飛騨山脈南部などでは、硫黄岳という活火山の降灰のために、雪のおもてが、瀝青を塗ったように
「黒い雪」というものは、私は始めて、その硫黄岳の隣りの、穂高岳で見た、黒い雪ばかりじゃない、「赤い雪」
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形容をしている。硬い岩石は、例えば、甲州アルプスで金峰山(二五五一米突)の五丈石、鳳凰山(二七七九米突)の地蔵仏は
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吾妻山(一千八百六十米突) 十月二十日 大日岳(一千三百九十米突) 同上
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八ヶ岳(二千九百三十二米突)十月 十日 刈田岳(一千八百二十九米突) 十
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岩木山(一千五百九十四米突)十月十五日 八甲田山(一千八百五十二米突)同上
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、最も山形に変化の多いのは北アルプスで、それには乗鞍岳(三〇二六米突)や御嶽(三〇六五米突)のように、富士山を除いて、
あったためもあるが、御嶽頂上の五個の池、乗鞍岳頂上の火口湖などに、絶えず美しい水を湛えているのも、また信飛
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に最北を白馬岳から、最南を富士山より少しく以南(赤石山系の最南端は低いから除いて)までとすれば、おそらく雪線高低の差は、
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妙高山(二千四百五十四米突)十月 九日 黒姫山(一千九百八十二米突) 同上
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吾妻山(一千八百六十米突) 十月二十日 大日岳(一千三百九十米突) 同上
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日が背後に没して、紫水晶のように匂やかに見える。筑波山の紫は、花崗石の肌の色に負うことが多いが、富士山の冬の
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一番名高いのは「越の白山」と古歌に詠まれた加賀(飛騨にも跨がる)白山(二六八七米突)である。それから日本全国中
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槍ヶ岳(三千百八十米突) 十月十九日 白馬岳(二千九百三十三米突) 同上
この標高は槍ヶ岳と白馬岳とを除いて、従来の地理書に従ったのであるから、当にならないもの
、雪線を昂める結果になる、日本アルプスを仮に最北を白馬岳から、最南を富士山より少しく以南(赤石山系の最南端は低いから除いて)
ているのはその好適例で、雪によって美しく、白馬岳(二九三三米突)のように高山植物に豊富で、雪に依ってその全体
が、万年雪や氷河のは、凸形になっている、白馬岳の擦痕は、やはりこの凸形の方に属するらしく、富士で見たのは
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四阿山(二千三百五十七米突)十月二十日 阿蘇山(一千五百八十三米突) 十一月廿五日
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は北アルプスで、それには乗鞍岳(三〇二六米突)や御嶽(三〇六五米突)のように、富士山を除いて、日本第一の大火山の
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白山(二六八七米突)である。それから日本全国中、富士山に次いでの標高を有する、私共のいわゆる日本南アルプスの第一高峰白峰(三一九二
、雪のある峰であればこそ、光るので、我が富士山が光る山であるのは、雪の山であるためではあるまいか。
は、花崗石の肌の色に負うことが多いが、富士山の冬の紫は、雪の変幻から生ずる色といっても大過はあるまい
、雪の白色を拭き消された夕暮になるのである。富士山を見ると、雪の真っ白なときには、頂上の八朶の芙蓉に譬え
富士山の如きは、十月より四月頃までは不断の降雪があるが、一
語ろう。人は山頂の雪を、千古不滅と形容する。富士山には消えないという意味の「万年雪」の名がある。欧洲アルプス地方で
より多いのであるから、氷河という現象を作らない。富士山は日本では三千七百七十八米突という抜群の標高を有しているが、太平洋方面
の標高は辛うじて三千米突を出入するに過ぎない。もし富士山の位置を、北アルプスに移し換えて、その痩削的の山容を改めたらば、あるいは
、日本アルプスを仮に最北を白馬岳から、最南を富士山より少しく以南(赤石山系の最南端は低いから除いて)までとすれば、おそらく雪線高低
(三〇二六米突)や御嶽(三〇六五米突)のように、富士山を除いて、日本第一の大火山の噴出があったためもあるが、
勿論だが、雪辷りが山側を磨擦する時は、富士山の剣丸尾熔岩流のように、長い舌の形によって、その舐めた
の形によって、その舐めた痕跡が残る。私が富士山の御殿場口と、須走口の間で見たのは、雪解の痕が砂
、並の火山礫などとは、容易に区別が出来る。また富士山の「御中道めぐり」と称して、山腹の五、六合目の間を
方面に多いかというと、私が十月の末に富士山に登ったときの経験で見ると、この山は北の方面よりも、南
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米突)の地蔵仏は、結晶岩なる花崗石で、飛騨山脈の槍ヶ岳(三一八〇米突)は石英斑岩の硬石である。また粘板岩や砂岩
て、相応に高い平均高度を有することになる。日本アルプス飛騨山脈が平均三千米突の高度を有しているのはその好適例で、雪に
強くて、雪を南に吹き飛ばすからである。日本北アルプスなる飛騨山脈を観ると、ここは冬は西風が強くて、東の方へ吹きなぐるため
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妙高山(二千四百五十四米突)十月 九日 黒姫山(一千九百八十二米突) 同上
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岩木山(一千五百九十四米突)十月十五日 八甲田山(一千八百五十二米突)同上
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これを、も一つ別の意味から言い換えると、日本アルプスは、南北によって雪の分量を異にしている、たとい厳格に言う
反して乾燥な生暖かい風は、雪線を昂める結果になる、日本アルプスを仮に最北を白馬岳から、最南を富士山より少しく以南(赤石山系の
以上に及びはしまいかと思われる、ヒマラヤ山は、日本アルプスとは反対に、南の方に雪が多量で、雪線が低く、北方は
日本アルプスの中で、最も山形に変化の多いのは北アルプスで、それには乗鞍岳
なると大概解けてしまうが、崖の雪は盛夏でも日本アルプスのは、半里から一里位の長さで繋がっていることがある。かかる
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日本アルプスの中で、最も山形に変化の多いのは北アルプスで、それには乗鞍岳(三〇二六米突)
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の間を一匝する道がある。これを巡ると、大宮口から吉田口に到るまでの間に殊に多く灰青色の堅緻なる熔岩流が