銚子 大井町 前橋 東京 千住

なるのは菰冠りの問題だ。来客多数あり、盛んに銚子が売れれば文句はないけれど、このままであっては、日毎に陽気が暖か

な貸家はない。しかし懸命になって捜し歩いた。とうとう、大井町の鮫洲の近くで一軒家を見つけた。京浜国道に沿ったところに、小料理屋が

昔、故郷の前橋中学へ通うころ、学校の近くに食詰横町というのがあった。

物を言わせないとあれば、家族は路頭に迷い、前橋の食詰横町行きだ。学友との笑い話がほん物になって、遂に

決定した。なにしろ、資本が極めて薄いのであるから、東京の中央で店を開くなどは思いもよらない。まず場末を選ぶことに

中仙道の板橋方面、甲州街道の柏木方面、奥州浜街道の千住あたりを極力捜したのであるがいかに場末と雖も、資本金三百円をもっ