酒匂川 早稲田 小石川 丸の内 東京 有楽町 神田 京橋

思う。八月の炎暑の午後、相州小田原の傍らを流れる酒匂川の川尻で、私が黒鯛を釣っていると、そこへ五十歳前後の釣り師

一方、三木は早稲田の伯爵邸から大隈の自動車に便乗して、総理大臣官邸へ行き、頼母木派

にでもただで弁護してくれるんです。私は、小石川の魚屋の親爺ですが、私の仲間にも厄介になった人があるん

笑って貰っては困る。いまもなお、報知新聞社は丸の内の一角に、毅然として栄華を示しているけれど、往年全国の読書界

このほど、頼母木東京市長が急逝した。私としては、この人の死をきいて

彼は備後国府中の生まれで、少年のころ東京へでてきてから当時報知新聞の編集局長であった熊田葦城の

思った。それは、頼母木桂吉が報知新聞社長をやめて、東京市長に就任したということである。腹が立った。いまいましかった。

『東京市と報知新聞社とどちらが国家的に重い位置にあるかは別問題として

まことに、不思議な話だ。頼母木桂吉が東京市長になって去ると、三木武吉が報知新聞社長になって入ってきた

は寂しい。故郷の村に住んでいた年月よりも、有楽町の土を踏んでいた歳月の方が比較にもならないほど長い連中

なって、やはり憲政会の候補者の鈴木万二郎（ハーゲマン）が神田の錦輝館で演説会を開くことになったが、大隈伯はこれ

でるという情報を、三木がききこんだ。しかも演説会場は京橋木挽町の歌舞伎座であるという話である。歌舞伎座を演説会場に使った政治家