博多 大阪 江戸 長野 熊本 東京 上野

。呑み、買う、幾人かの妾は置く。今日は博多、明日は大阪といった具合に、殆ど熊本の家へは寄りつかないので

、幾人かの妾は置く。今日は博多、明日は大阪といった具合に、殆ど熊本の家へは寄りつかないのである。

あった。徳川時代、越後や出羽方面の諸大名が、江戸へ参観交代に罷り出るには、越後路から三国峠を越えて必ず猿ヶ京の

なってしまった。維新後、上野から碓氷峠を越え、長野、直江津と鉄道が敷かれては、この三国峠など越える人はい

。今日は博多、明日は大阪といった具合に、殆ど熊本の家へは寄りつかないのである。

ある夜、思い切って熊本の千万長者の家を去った。そして、東京の兄の家へは立ち寄ら

生活のなかに、自分の姿を見出したい。それは、熊本を去ったときからの、念願であったのである。

このほど、元代議士生方大吉君の案内で東京火災保険の久米平三郎君と共に、上州と越後の国境にある三国峠

兄が東京へ伴って教育したのであるから、学問のことは勿論、行儀作法から

、思い切って熊本の千万長者の家を去った。そして、東京の兄の家へは立ち寄らず、直接猿ヶ京の母の膝下へ帰った。

今では僻陬の寒村になってしまった。維新後、上野から碓氷峠を越え、長野、直江津と鉄道が敷かれては、この三