丹後 酒井 関東 江戸 京都 水戸

を控え浪速からも、日本海の方の若狭からも、丹後からも、鮮魚を取り寄せるのは困難であったのである。であるから、

、御膳の『御した』のお下げを乞い、これを酒井に賜わった。『御した』というのは、主上ご食事の砌ご正膳

『いかにもこれは、我々関東の役人の責任であった』

京都所司代へ差し出した。所司代は、一応これを検査して江戸の幕府へ送り、その裁可を経たところで、はじめて所要の額を代官から

いうのであった。けれど間もなく豊後守は俄に江戸へ召されたので、御用商人検挙のことは中止となった。

京都所司代酒井若狭守忠義は、月並みの天機奉伺として参内した。ご

によって、宮中一ヵ年の収支を計算し、これを京都所司代へ差し出した。所司代は、一応これを検査して江戸の幕府へ送り

を奉ることになっていた。けれど、当時交通不便な京都にあっては、あまりの高価で手もつけられなかった。殊に、例

これは、京都の人々が正月に用いる『にらみ鯛』と同じものであった。

豊後守は、京都町奉行の職にあったから、御酒の味について何事か思い当たるの

また、水戸家であったか、毛利侯であったか、ある時、塩鮭を伝