酒徒漂泊 / 佐藤垢石
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たった。友人に都合して貰った金で、上州の高崎まで汽車に乗ったのである。
高崎の友人は、ひとり者であった。ところがこの友人は僅かな収入でありながら
の懐には一文もない。旅費がないとすれば高崎から長野まで三十六里を歩いて行かねばならないのだが、諸君なにか
ひる前に、高崎をたった。料峭の候である。余寒がきびしい。榛名山の西の腰から
『高崎をたつときは、随分鼻息が荒かったが、どうしたんだい』
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が、そこでも仕事はみつからなかった。それから大阪の天王寺に旧友を訪ねて、電車賃を借りて京都まで行った。
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乗った。峠のトンネルを抜けて、沓茫とした軽井沢の高原へ出ると、いままで汽車の窓から見た風物とは、衣物
もここに佇むわけにはゆかぬ。勇気をつけて、軽井沢の方へ坂を下った。軽井沢の宿へ入ると、人の踏みつけた雪
。勇気をつけて、軽井沢の方へ坂を下った。軽井沢の宿へ入ると、人の踏みつけた雪は凍って、油断をすれば低く
いまの軽井沢は、文化風の建物が櫛比して賑やかな都会となっているが、その
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片の雲もみない。その明るい陽に照らされて、浅間山の中腹から、前掛山の頂かけて茜さすのは秋草の霜にうたれた
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高崎をたった。料峭の候である。余寒がきびしい。榛名山の西の腰から流れ出す烏川の冷たい流れを渡り、板鼻町へ入ったとき、さつま芋
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いたが、そこでも仕事はみつからなかった。それから大阪の天王寺に旧友を訪ねて、電車賃を借りて京都まで行った。
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行手をみてびっくりした。顧みれば、下野の男体山から赤城、榛名、妙義、荒船、秩父山かけて大きく包まれている関東平野は、
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らはそこから行手をみてびっくりした。顧みれば、下野の男体山から赤城、榛名、妙義、荒船、秩父山かけて大きく包まれている
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榛名、妙義、荒船、秩父山かけて大きく包まれている関東平野は、もう浅春の薄い霞の帷をおろして、遠く房州の方へ煙って
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ところが、碓氷の分水嶺を一足すぎて、この浅間の麓へ眼をやると、なんと寂しい、すべての草木の凋れた姿で
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きょうも長倉村でさつま芋を五銭買って分けて食べた。ところが信州は物が高いと
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高知市で口入れ屋を尋ね、蕎麦屋の出前持ちを志願したけれど、戸籍謄本を持たない
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新傾向論がはじまった。それに続いて、元禄のころこの碓氷峠の裾に、芭蕉の弟子となった白雄という俳人がいた、という
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れた。そこで、土佐の国には諦めをつけ、神戸に渡ったのである。
神戸では本町二丁目裏の大きなちゃぶ台のある近所の口入れ屋の二階に、四
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それから大阪の天王寺に旧友を訪ねて、電車賃を借りて京都まで行った。
三条駅へ着いたが、京都にも別段たよる人がない。ひねもす、岡崎公園の石垣の上から疏水の
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には一文もない。旅費がないとすれば高崎から長野まで三十六里を歩いて行かねばならないのだが、諸君なにかほか
長野にいるかどうかは、しばらくたよりがなかったから、長野まで訪ねてみねば分からない。しかし、いまはもう僕の懐には
だが、果たして猪古目が長野にいるかどうかは、しばらくたよりがなかったから、長野まで訪ねてみ
屋に売って五十銭できた。これで何とか、長野まで露命を繋がなければならないことになったのである。
雪が飛んでくるかも知れない。風が、痛い。長野まではまだ道のりの半分もきていないのだけれど、何の防寒の
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その日、小諸町から善光寺街道へ路をとって、途中でみつけた蚕糸組合や郵便局へ
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のまことに洒脱な夫婦喧嘩を聞いた。その次の日は、千曲川の流れに沿う戸倉の村をぼつぼつと西へ向かって歩いたのである