赤いえり巻き / 小川未明
地名一覧
東京
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お花が、東京へ奉公にくるときに、姉さんはなにを妹に買ってやろうかと
のえり巻きを妹に買ってやろうということでした。東京は、雪は、あまりないが、冬は風が寒いと聞いている。
「私は、考えたのだよ、東京のステーションに降りたとき、この真っ赤なえり巻きをしていったら、迎え
「お花は、東京がいいか、それとも田舎がいいかい。」と、家のもの
ほんとうに、東京の冬は、雪こそ降らないが寒かった。彼女は、使いに出るの
「なに、もうすこしたつと、お花もすっかり東京っ子になってしまうから。」と、そのとき、お父さんはいわれました
ことになりました。もう、そのころは、彼女は、東京のほうが、田舎よりもよかったので、帰るのをいやがりました
となってしまった。その後、たよりがありません。東京の夏の空に赤い雲が、旗のようにただよって見えると、
たなら、かならず、自分のなくなった赤いえり巻きを思い出し、東京の坊ちゃんたちのことを思い出したでありましょう。