首里 琉球 江戸 那覇

戦争までと言ふから、二十年の長きに渉つて、首里の旧士人の生活は、全く傷ましいものだつた相である。蛇皮線を愉しむだけ

民族の繋りに知識乏しい人々は、此時を以て、琉球が支那領を離れた時だと言ふ風に誤解して来たのである

ある。此ほど、間違つた事はない。我々の親しい琉球の歴史・民族をそんな風に理会し、整頓して居たのだから、

殊に江戸の町侍は、最苛烈な経験をした。琉球でも、廃藩後日清戦争までと言ふから、二十年の長きに渉つて

後、俄浪士の嘗めた辛酸は、激しかつた。殊に江戸の町侍は、最苛烈な経験をした。琉球でも、廃藩後日清

王」など言ふ御人は、離宮で作つた瓠を、那覇の市で売らしめた。人之を「王様瓢」と称へて、

中から遊離したばかりの感じの深いものだが、首里那覇のは、既に芸能から、芸術にすら踏み入つてゐた。其だけに