平賀源内捕物帳 山王祭の大像 / 久生十蘭
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も三進もゆかぬようになり、商法の見習で定太郎が大阪へ行けば大阪へ、名古屋へ行けば名古屋といったぐあいに、あっちこっちしてる
ぬようになり、商法の見習で定太郎が大阪へ行けば大阪へ、名古屋へ行けば名古屋といったぐあいに、あっちこっちしてる間じゅうこの五
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、佐渡屋の忰の定太郎。……同じく後脚の左が、箪笥町の担呉服、瀬田屋藤助この四人。……なア、目ッ吉、仮
終って江戸へ帰って来ると、十三丁目と背中合せの箪笥町で清元の師匠をはじめたんです。……気の毒だといったらいいのか
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山王権現は徳川家の産土神。半蔵門内で将軍家の上覧に入れる例なので、御用祭とも、天下祭と
、桜田門の前から右へ永田町の梨の木坂をくだり、半蔵門から内廓へはいって将軍家の上覧を経、竹橋門を出て大手前へ。それ
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なり、商法の見習で定太郎が大阪へ行けば大阪へ、名古屋へ行けば名古屋といったぐあいに、あっちこっちしてる間じゅうこの五年越し影
見習で定太郎が大阪へ行けば大阪へ、名古屋へ行けば名古屋といったぐあいに、あっちこっちしてる間じゅうこの五年越し影のようについ
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……三番は、平河町の騎射人形、……四番は、山王町の剣に水車、……八番
平河町の大経師、張抜拵物の名人、美濃清が二年がかりでこしらえたもの
もとは、麹町平河町の御用聞で、先年同心の株を買い、以来、むかしのことを忘れた
ということにしてもらおうか。知ってもいようが、平河町から麹町十三丁は、むかしの俺の縄張り。お前だって仁義ということを
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を南へ、祭礼の番付板のある前をのぼって、山王神社の前を右へ。そこから永田町の梨の木坂。
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京都の祇園祭、大阪の天満祭、江戸の山王祭、これを日本の三大祭という。
越し影のようについて廻り、定太郎の年季が終って江戸へ帰って来ると、十三丁目と背中合せの箪笥町で清元の師匠をはじめた
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わたくしには何とも言えません。……佐渡屋は、四谷、麹町でも名の通った旧弊な家風。じぶんの相続人に五年も他人
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京都の祇園祭、大阪の天満祭、江戸の山王祭、これを日本の三大
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仙台平の袴に麻上下、黒繻子前帯の御寮人、絽の振袖に錦
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南は芝、西は麹町、東は霊岸島、北は神田。百六十余町から出す山車、山鉾が四十六。ほかに、附祭といっ
橋北町奉行所、曲淵甲斐守のお手先、土州屋伝兵衛。神田鍋町の氏子総代で麻上下に花笠。旦那のように胸を張って二十七
与力小泉忠蔵以下、控同心神田権太夫、伝兵衛の下ツ引、目ッぱの吉五郎、一名目ッ
余談だが、神田権太夫というのは、後年、例の谷中延命院の蓮花往生。尻
神田権太夫は、葭簀のそばに腕組みをして突っ立っている重右衛門をジロリ
と、言って、小泉と神田に向い、
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南は芝、西は麹町、東は霊岸島、北は神田。百六十余町から出す山車、山鉾が
今年は麹町の年番で、一丁目から十三丁目までの町家が御役になってこれ
真先にこれを見附けたのが、すぐ近くの麹町一丁目に住む近江屋という木綿問屋の忰で、今年、九つになる
象は、あわてて麹町一丁目の詰番所傍の空地へ引込んで葭簀で囲ってしまい、ご通路
といっしょにお曲輪内へはいったが、そのうちに、麹町の象の曳物の胸から血が出たという噂が、誰の口
供奉のほうは放ったらかし、象を曳込んだという麹町一丁目の詰番所まで横ッ飛びに駆けてきて、ズイと葭簀の中
もとは、麹町平河町の御用聞で、先年同心の株を買い、以来、むかしのことを
ことにしてもらおうか。知ってもいようが、平河町から麹町十三丁は、むかしの俺の縄張り。お前だって仁義ということを知っ
すぐそばが、外麹町、や組の番屋。追廻しが三、四人飛び出して行って、竹梯子に
で、左脚が植木屋の植亀。……後脚の右が麹町十三丁目の両換屋、佐渡屋の忰の定太郎。……同じく後脚の左
「あなたがそう仰言ってくださると麹町十三丁がホッと息をつきます。どうか、なにぶん……」
「ずっと京橋の金助町におりまして、麹町にまいりましたのはついこの春。酒も飲まず、実体な男と
は何とも言えません。……佐渡屋は、四谷、麹町でも名の通った旧弊な家風。じぶんの相続人に五年も他人の
は、佐渡屋の親父が洋銀の思惑であてた年、ちょうど麹町の年番に当ったのでポンと千両投げ出して先代の美濃清に作ら
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辰年六月に日本橋通一丁目、二丁目が年番に当った時、この二ヶ町で八千八百両
上覧を経、竹橋門を出て大手前へ。それから、日本橋を通って霊岸島まで練ってゆく。
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門から日比谷の壕端に沿い、桜田門の前から右へ永田町の梨の木坂をくだり、半蔵門から内廓へはいって将軍家の上覧を経、
前をのぼって、山王神社の前を右へ。そこから永田町の梨の木坂。
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だけで二十丁。山下門から日比谷の壕端に沿い、桜田門の前から右へ永田町の梨の木坂をくだり、半蔵門から内廓へはいって
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番にゆく。行列長さだけで二十丁。山下門から日比谷の壕端に沿い、桜田門の前から右へ永田町の梨の木坂をくだり
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桜田御門の前から黒田さまの屋敷を南へ、祭礼の番付板のある前を
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「ずっと京橋の金助町におりまして、麹町にまいりましたのはついこの春。