丹沢山 ナポリ 籠坂峠 アメリカ村 宇部 丹沢 東京

キャラコさんは、この一行がどんな目的で丹沢山の奥へゆくのか、とうとう聞きだすことができた。たとえようもなく愛想の

人と道連れになり、その人たちといっしょに、これから丹沢山の奥へ行くことに決心しました。

なにに使ったものか、崖のギリギリのところに、ちょうどナポリの笠松のようなようすで、すっくりと立っている。キャラコさんは、ふと思いつい

籠坂峠へかかろうとするころ、とつぜん、重い足音がうしろに迫ってきて、四人

キャラコさんは、ひろい茅原のなかに点綴するアメリカ村の赤瓦を眺めながら、精進湖までつづく坦々たるドライヴ・ウェイをゆっくりと歩いてい

朝の九時ごろになって、三枝氏が宇部から医者をつれて来た。

「丹沢の奥へ」

丹沢の地震のとき、このへんもだいぶひどくやられたとみえ、凝灰石の大きな岩が

光の中で鮮かな色をしておし並んでいた。丹沢の奥の、窓ガラスもないような破小屋の中に、こんなめざましいご馳走が

たせいにもよるんです。……ところで、こんど、東京で電気試錐機というやつを仕入れて来ましたから、こいつでなら、必ず

あまり評判になったので、父がうるさがって、当分東京へ帰ってくるなというのです。ずいぶん困ったはなしですわね。…

以上、しちくどくいう必要はないだろう。あす、山をおりて東京へ帰るつもりだが、われわれの仕事はこれで終わったというわけでは