朝日山 志賀高原 巴里 東京

志賀高原の朝日山のスロープの裾で、花束をふりまいたような美しい四五人のお嬢さんが、

朝日山の北側のスロープの中腹に、赤煉瓦の煙突をもった石造のしゃれた山小屋

志賀高原の朝日山のスロープの裾で、花束をふりまいたような美しい四五人のお嬢さん

、森川夫人の妹の房枝さんが、外務参事官のお父さんと巴里に住んでいたころの愛人だった。

の国際観光ホテルで、あんな思いがけないことがあった翌々日、東京の森川夫人から電話がかかってきた。

の。……新聞記者がつめかけてきてたいへんだから、東京へ帰らずに、まっすぐそちらにいらっしゃいって。……ね、剛子さん、お

遅くならないうちに山小屋に連れかえることと、一日も早く東京へ引きあげるように提議することだけだと考えた。