伊勢崎町 萩 油壺 江戸 深川 神田 伊勢崎 目白 向島

ことに話あいがつき、借りた手拭いを肩へひっかけて伊勢崎町の湯へ出かけて行く。

て堀につづく油蔵のほうへ行こうとする。唐突に萩のうしろから立ちあがった顎十郎、ツイと前へまわってお節の前へ立ちはだかり

。壁の破れにペンペン草が生え、蔵に寄せて積みあげた油壺や油甕のあいだで蟋蟀が鳴いている。昼でもひと気のない妙に

は、阿波に棲んでいるくろはみという蝮蛇で、江戸にはいないやつ。油壺をつつむ筵の中へでもまぎれこんでここまで来

（例）深川万年町

たのは九ツ半。神田まではるばる帰る気がなくなって深川万年町の松平陸奥守の中間部屋へころがりこみ、その翌朝。

「六つ目。……阿波屋の葬式といったらこの深川でも知らぬものはない。今年の五月に総領の甚之助が死んで

深川の油堀。

昨夜、おそい客を柳橋まで送りとどけたのは九ツ半。神田まではるばる帰る気がなくなって深川万年町の松平陸奥守の中間部屋へ

、清五郎、ちょっと甚松の死骸を検べて見たいから、神田へ行って大急ぎでひょろ松を呼んで来てくれ」

ことに話あいがつき、借りた手拭いを肩へひっかけて伊勢崎町の湯へ出かけて行く。

ている。蚯蚓ほどの守宮の子が梁のおもて一杯に目白おしになって動きまわるンで、ちょうど梁ぜんたいが揺れているよう。……

末娘のお節さんが、五人ばかりの踊り朋輩といっしょに向島へ花見に行った帰り道、悪旗本にからまれて困っているところへその

「向島の花見で助けたのが新田数負。助けられたのが末娘のお節