顎十郎捕物帳 08 氷献上 / 久生十蘭
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本郷、向ガ岡。
本郷から下谷の根津わきまで跨って、屋敷の地内が十六万坪。
加賀さまのお氷が西の丸へあがったと聞くと、本郷、下谷一帯の町家のものはもちろん、はるばる下町からも、遠近貴賤の別なく
空地をまわってお長屋わき、正門から本郷の通りへ飛びだすと、本郷一丁目を右へ壱岐殿坂。
も顎の長い異様なのが、ひと刻もおかずにまたぞろ本郷の通りを大駈けに駈けて行くもんだから、町並では、みな店さきへ
「二日も、なにもあがらんで、本郷から一ツ橋まで駈けるのは、なかなか大変でしたろう」
おくれた十字三十五分。……あなたがどんな韋駄天でも、本郷から一ツ橋までたった十ミニュートで駈けられるわけはない。……えらそうに言う
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につきあたって、あわててまた門内に駈けこんだその男は、酒井の大部屋で手遊びをしていた石田清右衛門という御家人くずれ。……勝負の
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門からあふれだし、弥生町の通りを根津までギッシリと四列につづいている人数だから、たいへん。なかなか順番がやって
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待ちかねで、前の月はなから、もう、あと何日で加賀の氷がくると待ちかねておいでになるというその氷。……そいつ
駕龍を吊って加賀の屋敷までひきかえし、またはじめからやり直す。
つまり役儀がら。……馬鹿なことをうかがうようですが、加賀の屋敷を出て、どういう道すじで一ツ橋へおいでなすった」
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「二日も、なにもあがらんで、本郷から一ツ橋まで駈けるのは、なかなか大変でしたろう」
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土瓶を持った老若男女があふれだし、四列ならびになってずっと根津権現のほうまで続いている。
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手拭いを肩にかけ、寅吉とつれだって有馬の湯を出る。無駄ッ話をしながら本郷三丁目を左へ曲って加賀さまの
曖昧な申立てをしてるところに、なにかいわくがある。有馬の湯で話をきいたときから、ことによったら、お前たちの仕業だ
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舐め、と川柳点にもあるくらいで、盛夏の候、江戸の行事のひとつ。
江戸は、ことに水の悪いところで、町人は夏のあいだに雪や氷を
だか知らねえが、へたに青地を追いおとそうというなら、江戸の役割三百五十六部屋、これにガエンと無宿を総出しにし、南の番所を
たろうが、あたしはそんなことじゃだまされない。……いかに江戸が繁昌でも、無人の空家から祝儀の釣台が出てくることはない。
吉三というのを頼んで駈けさせた。……一日で江戸と小田原を楽に往復するというえらい早足なんだが、やはり、追いつけない
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本郷から下谷の根津わきまで跨って、屋敷の地内が十六万坪。
のお氷が西の丸へあがったと聞くと、本郷、下谷一帯の町家のものはもちろん、はるばる下町からも、遠近貴賤の別なく容器
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北どなり、水戸さまの中屋敷にむいた弥生町がわの通用門から、てんでに丼や土瓶を
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を喰べてこの日を祝い、江戸富士詣りといって、駒込の真光寺の地内に勧請した富士権現に詣り、麦藁でつくった唐
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暑いさなか、ようやくお氷は頂戴したが、日本橋まで駕籠を飛ばすうちに丼の雪が溶けて水になる。ずいぶん高価い水
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なら、取るようにして取って見せる。……まだ、水道橋へはかかるまい。……これから追いかけて……」
十字十分……壱岐殿坂を下りきって二十五分……水道橋をわたりきって三十分……神保町かどが三十五分……三番原口から
「……じつのところは、どうでもとる気で水道橋へんまで追いかけたのだそうです。……しかし、かんがえて見れば
水道橋をわたって水野の大屋敷を左に見、榊原式部のかどから四番
「どの道と申して、道はひとすじ。……壱岐殿坂から水道橋。大屋敷を左に見て、榊原式部のかどから四番原、三