兄の帰朝 / 小金井喜美子
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家の車で送つて貰つて帰りました。その頃小金井は東片町に住んでゐました。始めは弓町でしたが、家主が、「
這入るので、左へ曲ると行止りになる袋小路でした。小金井はアイヌ研究のために北海道へ二箇月の旅行をして、この月六日
一つで持ちこたへてゐたのでした。私が小金井へ来ました時、「よく評判の病人のところへよこしたなあ」と笑
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と行止りになる袋小路でした。小金井はアイヌ研究のために北海道へ二箇月の旅行をして、この月六日に帰つたばかり、それで
たのでした。その備準もせねばならず、北海道からは発掘した荷物が来るのですから、繁忙を極めてゐました。
とのことでせう。前にもいつたやうに、北海道で発掘した人骨を詰めた荷物がつぎつぎと著きますので、それらは
。用談も手間取りますが、さうした中でも未開な北海道の旅行中に幾度も落馬したこと、アイヌ小屋で蚤袋といふ大きな袋
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。前晩から兄と次兄と主人とがエリスと共に横浜に一泊し、翌朝は五時に起き、七時半に艀舟で本船ジェネラル
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は新しい法被を作つて与へました。帰朝の日には新橋まで迎ひに出すといふ心組でした。
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私は早くから千住の家へ行つて待つてゐました。兄はあちこち廻つて帰られた
ので、主人は授業が終るとすぐ様子を聞くために千住へ行つたといふ知らせがありました。さあ心配でたまりません。無事
行かれません。それに較べると主人は気楽ですから、千住では頼りにして、頻りに縋られます。父は性質として
のことは、すらすら運ぶ用事とは違ひますから、主人も千住へ行くと、夜更けに車で送つて貰ふのです。用談も手間取ります