気仙郡 北海道 旭川 札幌 小樽 仙台 盛岡 東京

て居た髭……違ふ、違ふ、アノ髭なら気仙郡から来た大工だと云つて、二ヶ月も遊んでから喰逃して北海道へ来

煉瓦造、（これが此社に長く居る人達の、北海道に類が無いと云ふ唯一つの誇りであつた。）澄み切つた冬

大工だと云つて、二ヶ月も遊んでから喰逃して北海道へ来た筈だ。ト、以前私の居た小樽の新聞社の、盛岡生れ

、其説には充分の根拠があつた。主筆は、北海道の都府、殊にも此釧路の発達の急激な事に非常の興味をもつ

私の性行を知らぬからなので……私は、北海道へ来てから許りも、唯九ヶ月の間に、函館、小樽、札幌で

云ふのは、此両新聞の記者に、札幌、小樽、旭川などの新聞の支社に来て居る人達を合せて、都合十三四人

月例会と云ふのは、此両新聞の記者に、札幌、小樽、旭川などの新聞の支社に来て居る人達を合せて、都合

ではない、須藤氏が何かの用で二日許り札幌に行つた時、私に銀側時計を買つて来て呉れた。其三

から許りも、唯九ヶ月の間に、函館、小樽、札幌で四つの新聞に居て来た。何の社でも今の様に

月例会と云ふのは、此両新聞の記者に、札幌、小樽、旭川などの新聞の支社に来て居る人達を合せて、都合十

て北海道へ来た筈だ。ト、以前私の居た小樽の新聞社の、盛岡生れだと云つた職工長の立派な髭が頭脳に

、全道に及ぼす経済的勢力の上でも釧路が「東海岸の小樽」となる日が、決して遠い事で無いと信じて居た。されば、

来てから許りも、唯九ヶ月の間に、函館、小樽、札幌で四つの新聞に居て来た。何の社でも今

を兼ねて居るといふ事であつた。七子の羽織に仙台平のリウとした袴、太い丸打の真白な紐を胸高に結んだ

仕立さしたけれど、少し短いから。」と云つて、新しい仙台平の袴を態々持つて来て呉れた。

筈だ。ト、以前私の居た小樽の新聞社の、盛岡生れだと云つた職工長の立派な髭が頭脳に浮ぶ。若しかする

。確かに見たと、誰やら耳の中で囁く。盛岡――の近所で私は生れた――の、内丸の大逵がパツと

「毎日」の西山社長と、私より一月程前に東京から来たといふ日下部編輯長とが入つて来た。日下部君は、

へ飛ぶ。東京と云へば、私は直ぐ、須田町――東京中の電車と人が四方から崩れる様に集つて来る須田町を頭脳に

て、東京ぢやなかつたらうかと、無理な方へ飛ぶ。東京と云へば、私は直ぐ、須田町――東京中の電車と人が四方

何処だつたかと、気が少し苛々して来て、東京ぢやなかつたらうかと、無理な方へ飛ぶ。東京と云へば、私は

校正刷の出初めまでは、何も用が無いので、東京電報を訳さして見る事などもあるが、全然頭に働きが無い。