横浜 銚子 新橋 お茶の水 神田

往くと云う細君と伴れ立って家を出て、二三日横浜あたりを遊び歩いて帰った日の細君の倒錯的な癖を彼は思いだした。

小さな顔をだした女給のお葉は、客の前の白い銚子を執って、にっと笑いながらぽっちり残っている盃に注いだ。

「お茶の水のアパートメントへ往ってもいいし、新橋の待合へ往ってもいいよ」

賃も払えないことになる。できることなら一直線にお茶の水なり新橋なりに往きたいと思ったが、その場合女の云うなりになるより他

「お茶の水のアパートメントへ往ってもいいし、新橋の待合へ往ってもいいよ」

は自動車賃も払えないことになる。できることなら一直線にお茶の水なり新橋なりに往きたいと思ったが、その場合女の云うなりになる

さえ済ませば、後は朝になって電話をかけようと、神田で雑誌を出している知人から金を借りることを考えながら、左の手首

にして狂乱する狂態は、厭わしいものよりも恐ろしかった。神田で雑誌を出している友人の元へ、弄花に往くと云う細君と伴れ