大阪 本所 浅草 上野 銀座 大塚 東京 神保町 市ヶ谷 日比谷 神田 水道橋 飯田橋 日本橋

云いだしたので、友人はしかたなしに、女と二人で大阪へ逃げて、大阪の府下で小学校の教師をしているとのことで

、友人はしかたなしに、女と二人で大阪へ逃げて、大阪の府下で小学校の教師をしているとのことであったが、その後

しているとのことであったが、その後の話に大阪にいるのも具合が悪いのか、朝鮮の方へ往ったと云うことを

て、聞いてみようと思いだした。ところで、その日は本所の親類の者が、夕方から来ることになっていたので、その日

の小さな黄表紙の唐本で、明治四十年比、私は一度浅草の和本屋で手に入れたが、下宿をうろついている間に無くした

も来る電車も皆満員であったから、彼の自動車で上野の広小路まで往って、そこから電車へ乗るつもりで降りたがまた例の

私が上野の広小路で見かけた女は、友人と朝鮮へ往っていることになって

その翌日も会社の方が晩くなって、上野の広小路で電車を乗換えて帰ったので、もしか、今晩あたりも、

それは靄の深い晩であった。私は銀座で二三人の同僚と飯を喫って帰っていた。来る電車も来る

女であったか判らなくなっているので、諦めて大塚行の電車に乗ってしまった。電車に乗りながらも、彼女はたしかに

て来た。で、帰りに、数寄屋橋外から、土橋大塚間を運転している電車に、乗ることは乗って、神保町へまで来

て、飯田橋で一度電車を乗り換え、二度目に水道橋で大塚行の電車へ乗って、後の上り口の処へ立っていると、春日

な気もちでそれを見送っていた。と、そのとき、大塚行の電車が動きだした。私は眼が覚めたようにそれに飛び乗っ

方へ往ってると聞いていたものではあるが、東京に来ていないとも限らないので、線路の外へ出るなり、

帰れないと云うところから、何人か知己の者を頼って東京へ来ているのか、もうとうに他に夫が出来ていて、その

女がたしかにお八重であるとしたら、この比、東京の方へ来ているか、それとも二人の生活に余裕が出来た

弘光君であった。私はそこでついすると二人は東京にいるのではないかと思った。

「君は何時東京へ来た」

べつに買いたいと思うような本も見当らないので、神保町の電車の交叉点の方へと、道草を喫いながら歩いていた。

てみる気になり、新見附から九段へ出て、神保町の右側の方を歩いていた。その葉も靄があって、街路

飲んで、八時比になって帰りかけたが、久しぶりで神保町の本屋をひやかしてみる気になり、新見附から九段へ出て、

翌朝、電車に乗った時にも、今日は帰りに神保町で降りて、前夜の家へ往って聞こうと思っていたが、

間を運転している電車に、乗ることは乗って、神保町へまで来たが、降りる気になれない。それに三時比から降り

その翌日は、それでも神保町のことを思い出さないでもないが、もう前日程の執着はなかった。

ので、その日はそのまま帰って、その翌日、とうとう神保町で電車を降りた。

にしてもそれに似たことは数多ある、とにかく、神保町の巷の中の家へ往って、聞いてみようと思いだした。ところで

に彼女はお八重であった。私は櫛のことも神保町の巷の中の家のことも忘れてしまったように、また彼の

て、一時比から晴れて好い天気になったので、市ヶ谷の下宿にいる軍人の処へ往って、そこで夕飯に酒を飲んで

に市ヶ谷にいる軍人に用事が出来たので、帰りに市ヶ谷へ廻り、またそこで酒を飲んで、十時比帰って来て、

その次の日曜日のことであった。会社の帰りに市ヶ谷にいる軍人に用事が出来たので、帰りに市ヶ谷へ廻り、またそこ

茶でも飲んで別れようと云うので、そこを出ると日比谷の方へ歩いて往って、青山麻布方面へ往く電車停留場の左側の角

てみたが、それにもいない。ついすると、神田の方へ往く電車の乗場にいるかも判らないと思って、そこへ

て来て、飯田橋で一度電車を乗り換え、二度目に水道橋で大塚行の電車へ乗って、後の上り口の処へ立っていると

そこで酒を飲んで、十時比帰って来て、飯田橋で一度電車を乗り換え、二度目に水道橋で大塚行の電車へ乗って

はこう云って、私と離れて電車通りを横断って、日本橋のほうへ往ったが、その後姿は、黄昏の黄ろな光の底