帆 / 宮本百合子
地名一覧
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工合がわるくて駄目なのだ。いっそ、次の列車で銚子まで行ってやろうか。切符を買いかけ、然しと思うと、それも余りいい
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の方から此方へ越して来てから、藍子も、同じ小石川の向う側の高台へ部屋を見つけたのであった。鼠坂を登って、
その時は釣り込まれて笑った。が、藍子は夕方小石川の二階へ帰って来て、新緑の若葉照りにつつまれて明るい山径と
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の午後、藍子は小日向町へ出かけて行った。尾世川が牛込の方から此方へ越して来てから、藍子も、同じ小石川の向う側の高台
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技師の細君で、夫の任地の九州へ独り行く。その途中寄ったのであった。
尾世川は数日前にやっと、不二子を九州の夫のところへ向けて立たせたばかりであった。不二子に限らず、
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樺太から来た女が一時彼の二階にいた。
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「今なら間に合う。早く塩原へ行ってらっしゃい」
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「行らっしたんですか? 湯島へ?」
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達が逗留していた。そこへ行く気になったのであった。両国を六時五十分に出る汽車がある。
「さあ……私両国へ行かなくちゃならないから」
「何だかどうも私の尻までむずついて来た。――兎に角両国まででも行って見ようじゃありませんか。日がえりで海見て来るのもわるく
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「――湯島天神にこんなところがあるのかな」
区役所前で電車を降り、右へ折れて、藍子は湯島天神の境内に入って行った。大鳥居から拝殿へ行く石畳みの上へ一条雪掻き
が向うに見えた。藍子は「婦系図」の、やはり湯島天神境内の場面を思い出し、自分の書生っぽ姿を思い合わせ、ひとり笑いを浮べた
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、南天のある小庭と、先にずっと雪に覆われた下谷辺の屋根屋根の眺望があった。
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からいいけれど、厭な気持がしますですよ。いきなり、大塚いねと云う女がいる筈ですがって、私の顔をじろじろ見るんです
「こちらに大塚おいねさんて方おいでですか」
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で、近くの地面の底にも、遠くの方に見える護国寺の森の梢にも春が感じられる、そこへ柔かく降り積む白雪で、早春
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バスケット一つ下げ、藍子は飯田橋まで出てタクシーに乗った。
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「どうも一足でも東京を出ないうちは、虫が納まらないらしい」
を使わなければならない。まして、不二子は、親戚が同じ東京にあった。その中で彼と一月も暮したのだから、尾世川
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「そんなとこ役者がお詣りするところですよ。……稲毛なら近いには近いけど……」
「稲毛にしましょう。――それともおいやですか」
えり出来る処となると陳腐な場所しかなく、彼等は稲毛に決め、そこ迄二等の切符を買った。
稲毛の停車場から海岸まで彼等は田舎道を歩いた。余り人通りもなかった。
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一旦家へかえることにしバスケットを一時預けにして、両国橋を渡った。