樹木とその葉 03 島三題 / 若山牧水
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ねてその樣に手紙など貰つてゐたので、九州から四國に渡り、其處から汽船に乘つてこのM――君の住む
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が案外の近さに眺められた。半島の中心をなす天城山が濃く黒く、どつしりとして眼前に据つてゐた。半島から島
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それを澤山買つて行つた。先づ靈岸島から汽船で下田まで行き、其處で彼も吾も好物の酒を買つて第二の手土産と
も好物の酒を買つて第二の手土産とした。下田から一週間おきに燈臺通ひの船が出ることになってをり、その船
たので、都合よくそれに便船する事が出來た。下田を出ると、船は忽ち烈しい波浪の中に入つた。何處でも岬の
『どうだ、臺長に願つてこれから一緒に下田まで行かんか、あそこで一杯飮んで別れようぢやないか。』
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事が出來た。海鳥が多かつたが、中には伊豆の天城から飛んで來るらしい山の鳥も混つてゐた。
間に溜めた金と云つたら素晴らしいものだ、今では伊豆の方に澤山な地所も買つてあり家をも建てゝ、其處から長男
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※つて鯛を買ひ集め、生きながら船底に圍うて大阪へ向けて走るのださうである。
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名物の鯛がとれてゐた。その鯛網見物にと、岡山の友人I――君から誘はれて二人して出懸けたのであつた
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彼の噂をとび/\に聞いてゐた。彼は佐賀縣の或る金滿家の息子で、急に學校が厭になると郷里
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た。その頃一年あまり私は父の病氣のために東京から郷里日向の方に歸つてゐた。そのうち父がなくなり、六月
にまた母や姉から若干の旅費を貰つて、ともかく東京へ出て見ようといふ途中に、この瀬戸内海の中の小さな島に立ち寄つ
見るといよ/\私の立場は苦しくなつた。是から東京に出て新聞社などに勤めた所で幾らの送金が出來るわけでもなし
其處で我等の長男を産んでゐた。私が今度東京に出るとなると、早速彼等を呼び寄せなくてはならぬ。要るもの
、私の郷里滯在が長引くらしいのを見ると、妻も東京を引きあげて郷里の信州に歸つてゐた。そして其處で我等の長男
『どうだね、一つ、君も東京あたりにいつまでもぐづ/\してゐないで、いつそ諦めてこの
さう思ひきめると、急に東京が戀しくなつた。其處にゐる妻や友人たちが戀しくなつた。
『まアよさう、行くなら東京へ訊ねて行かうよ、君もまたやつて來て呉れ、今度はもう