銭形平次捕物控 035 傀儡名臣 / 野村胡堂
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あまり好い器量ぢやねえ、二言三言言譯を言つて――根岸の方へ降りようとすると、いきなり後ろから襟髮を掴んで、藪の中へ―
「根岸の寺と仰しやつただけで、尤も――早く行かなきや、御墓所
「墓場に門のある寺といふのは、根岸に幾つもあるわけはねえ。行つて見ようか、八」
根岸へ行つて、寺を一つ/\叩き起すのは、あまり樂な仕事では
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組御番頭に御取立、御上の御用で半歳ほど前から駿府へ行つて居られる。明日は江戸へ御歸りといふことぢや。夕景先代の
安倍丹之丞が、上の御用で駿府へ行つたのは半歳前、江戸を出發しようと言ふ時、さすがに、
それは、繰り返して言ひますが、駿府に出發しようと言ふ前日の事でした。忙しい中乍ら、手文庫の掛け紐の
「それは間違ひはない。御主人は、その印形を駿府へ持つて行かれた」
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にはろくに手もお付けになりません。お言葉は江戸で、お國侍ではなかつたやうですが、本當に、お固い、言
御用で半歳ほど前から駿府へ行つて居られる。明日は江戸へ御歸りといふことぢや。夕景先代の御墓へ詣られたのは、
が、上の御用で駿府へ行つたのは半歳前、江戸を出發しようと言ふ時、さすがに、惡智慧の逞ましい從兄や、妾の
ところが、主人丹之丞の用事が濟んで江戸へ歸ると云ふ三日前、所用あつて外出した清左衞門が歸つて來
明日の朝はいよ/\主人丹之丞が江戸へ歸ると解つた時、清左衞門は到頭評判の錢形平次に逢つて見よう
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「こんなわけだ、平次。主人丹之丞樣は、川崎に泊つて居られる。明日、早立ちで、辰刻か――遲くも巳
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と言ふものは、親分の前だが、――柳橋から谷中まで、なんの事はねえ、掛け合ひ噺だ。色つぽくて、氣
翌る日巳刻(十時)少し前、安倍丹之丞は谷中の屋敷に歸りました。
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「世間でさう言つて居るぜ、神田の平次のところに居る八五郎は、見掛けほどは馬鹿ぢやねえ――と
ないかと思つたよ。ね番頭さん、俺は確かに神田の平次だが、この一年ばかしは急しくて旅どころか、大師樣
「神田の平次殿と言はれるのか。それは御苦勞なことぢや。―
「私はお使を頂いた神田の平次で御座います」
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「先刻上野の戌刻が鳴りましたよ」
上野の子刻の鐘が、その最後の餘韻を闇の中に納めると、