青い眼鏡 / 野村胡堂

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銀座

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――まあ嫌ね、これは昔流行った『銀座節』じゃ無いの、ちらしの裏にこんなものが刷ってあるんだわ

同じ文句が刷ってあるじゃないの、最初は――銀座銀座と通う奴ア馬鹿よ、帯の巾ほどある道を――って」

ちゃんと同じ文句が刷ってあるじゃないの、最初は――銀座銀座と通う奴ア馬鹿よ、帯の巾ほどある道を――って」

全く同じ事でした。芳野絢子の眼には、明かに銀座節が読まれますが、村岡柳子の眼には、相変らず緑と

の知れない唐草模様があるだけで、誰の眼にも銀座節などは見えません。

絢子君以外には、誰にもこのちらしの裏の『銀座節』が読めないというのは、芳野君の眼が特別にいいと

唐草見たような地模様の上に、細い赤い字で銀座節の文句が刷ってあるのだよ。普通の眼、つまり普通の白い

……銀座銀座と通う奴馬鹿よ……

……銀座銀座と通う奴馬鹿よ……

はっきり銀座節が読めるだけ、外に何んの変ったところもありません。

忽ち、赤い地模様も銀座節も消えて、青い地模様の中に、何やら外の文字?

銀座節」だけが現われ、赤い光線にさらせば、赤い「銀座節」は消えて、青色の唐草地模様の中に、恐ろしい兇賊団の

と、青色の文字が吸収されて、赤い文字の「銀座節」だけが現われ、赤い光線にさらせば、赤い「銀座節」は消え

日本橋

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は言われない、ハテナ。御用は、何? 今晩、日本橋辺まで来て見ろ、大谷千尋が何んか大仕事をするかも知れない

日本橋のとある横町に、自動車を停めた花房一郎、暫らく車の中に止った

はありません、が、ハット気の付いたのは、日本橋の袂に立って居る電車の信号手です。

「今夜一時十五分、日本橋の都銀行襲撃の予定、裏口は松井以下十五名、表口は大谷団長以下