銭形平次捕物控 062 城の絵図面 / 野村胡堂
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奥州のさる大藩の居城で、去年の大嵐のために、石垣と天主が大破し
石津右門等の藩というのは、幕府に睨まれて奥州へ転封させられたばかり、外様のうちでも、一番警戒されてい
上、開いて見ると、これが真っ赤な偽物、――奥州のお城の絵図面とは似も付かぬ、藤兵衛が江戸で請負をし
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拙者はさる大藩の国家老、ここにおられる大垣殿は江戸の御留守居じゃ。恥を申さねば判らぬが、三日前、当
れていた家柄だったのです。居城修復のため、江戸から神田末広町の棟梁柏木藤兵衛という、有名な城大工を国許まで呼び寄せ、濠
のお城の絵図面とは似も付かぬ、藤兵衛が江戸で請負をした、寺や屋敷の絵図面と変っていたのです。
が、絵図面の行方は皆暮解らない。その上、今朝江戸御留守居の大垣殿お長屋へ――国許居城の大修理は、籠城の
大工頭中井主水の配下で、御城大工としては、江戸でも名誉の大棟梁、その後、扶持を離れて、諸藩の御用を承り
「うんと脅しておやんなさいまし、殿様が江戸へ出ていらっしゃると、絵図面もたいてい戻ります」
も屋敷も大事には相違ないが、妾狂いの殿様を江戸へ呼ぶために、殺さなくともいい人間を虫のように殺すのは少し罪
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た家柄だったのです。居城修復のため、江戸から神田末広町の棟梁柏木藤兵衛という、有名な城大工を国許まで呼び寄せ、濠、石垣
拝見したい――と、石津右門の渋るのも構わず末広町の自宅に持って帰り、一と晩止めて、ほんの少しばかり手を入れ
「ともかく、末広町へ参ってみましょう」
「末広町の棟梁が、お屋敷へ絵図面を持って参って、お二人にお目
絵図面は棟梁の家で無くなったに決っております。早速末広町へ参りましょう」
末広町の藤兵衛というのは、かつては御大工頭中井主水の配下で、御城
「冗談じゃねえ、――末広町の藤兵衛棟梁のところの太吉が殺されたことを御存じですかい、親分
に否も応もありません。二人は宙を飛んで末広町へ――。
二人はもう一度末広町へ。
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いた家柄だったのです。居城修復のため、江戸から神田末広町の棟梁柏木藤兵衛という、有名な城大工を国許まで呼び寄せ、濠、