銭形平次捕物控 316 正月の香り / 野村胡堂

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地名一覧

本所

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は居りませんでした。月の朔日と十五日は、本所の母親のところへ、泊りに行く筈で、これも親孝行の一つでござい

江戸

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八五郎は斯う言つた具合に、江戸の町々から、あらゆる噂話を掻き集めるのでした。その噂のうちには、極めて

佐久間町

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「佐久間町の丹波屋忠左衞門――親分も御存じでせう」

「結構な身分で、その佐久間町の丹波屋から急の使ひで行つて見ると、馬鹿々々しいぢやありませ

佐久間町の丹波屋といふのは、大地主の雜穀屋で、今の主人は忠之助と

平次が行つたのは、やがてもう晝近い頃でした。佐久間町の一角を占める店構への、その横の路地を入つて、五六間行くと

平次は悠々と支度をして、八五郎と一緒に佐久間町に向ひました。

佐久間町の丹波屋の前まで行くと、店の中が何んとなくザワ付いて、通

八。そいつは容易ならぬことになるかも知れない。佐久間町まで行つて見よう。お前も家へ歸る道順だ」

二人は凍てつくやうな夜の町を、佐久間町まで飛んだ事は言ふまでもありません。丹波屋まで行き着いて見ると、夜更け

神田

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女房の遺した、娘のお初はとつて十八、これは神田一圓に響いた好いきりやうで、さすがの隱居忠左衞門も、娘の