本郷 入谷 江戸 小石川 下谷 神田 浅草

絵図面に印を付けてみたが、不思議な事に本郷を真ん中にして扇形に拡がっている」

「痣の熊吉は本郷では一軒も荒らしていないだろう。――これはどういうわけだ。解る

「解りませんよ。――それとも本郷は暗剣殺に当るかな――この方角はよろずの事悪し、火難盗難慎むべし

「無駄は止せ。――痣の熊吉は本郷に住んでいるんだよ、八」

を荒らすと足が付くと思っているんだろう。探すなら本郷を捜せ」

ましたよ。――痣のない人間で、二人組で、本郷に住んでいて、金費いの荒いノラクラ者で、小道具を持って歩く野郎

八兄哥より二つ三つ若いはずだが、この間から入谷に世帯を持って、押しも押されもせぬ一本立ちの御用聞だ

「大ありさ、江戸は広いやね。――綺麗な女房の方は俺の鑑定じゃ納まるまいが

ばかり狙ったのか。――そいつは、無駄だよ。江戸の町には木戸もあり番所もある。泥棒道具を持って夜更けに歩くの

「俺は痣の熊吉の押し込んだ家というのを、江戸の絵図面に印を付けてみたが、不思議な事に本郷を真ん中に

「ありませんよ。江戸の水が恋しくって、弟に世帯を譲ってこっちへ来たというくらいだ

身分はなるべく包んでおきたい。山城屋の主人と知れると、江戸には孫店も取引先も多いことだし、何かとうるさい事にもなる

大坂の山城屋と言ったのは全くの出鱈目、私はやはり江戸の生れで、唯の尺八の師匠竹斎に相違ございません」

それから八五郎は、神田、浅草、下谷、小石川を隈なく捜し廻りました。が、痣のある人間を捜すのと違って、

「神田、浅草、下谷、小石川を一円」

近ごろ三輪の親分が追い廻している、痣の熊吉だ。下谷浅草から神田小石川へかけて二三十軒も荒らし、人間も五六人斬られて

それから八五郎は、神田、浅草、下谷、小石川を隈なく捜し廻りました。が、痣のある人間を捜すのと

「神田、浅草、下谷、小石川を一円」

の親分が追い廻している、痣の熊吉だ。下谷浅草から神田小石川へかけて二三十軒も荒らし、人間も五六人斬られているが、

それから八五郎は、神田、浅草、下谷、小石川を隈なく捜し廻りました。が、痣のある人間

「神田、浅草、下谷、小石川を一円」

「不意に来たからって怪しい人間じゃねエ。神田の八五郎という者だ。束脩はいくらだえ。――樽代と

神田から本郷お弓町へ。――朝行って昼過ぎに行って、近頃は宵

三輪の親分が追い廻している、痣の熊吉だ。下谷浅草から神田小石川へかけて二三十軒も荒らし、人間も五六人斬られている

それから八五郎は、神田、浅草、下谷、小石川を隈なく捜し廻りました。が、痣のある人間を捜す

「神田、浅草、下谷、小石川を一円」