銭形平次捕物控 069 金の鯉 / 野村胡堂
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「故郷の伊勢へ帰った時は、鳥羽へ遊びに行って、松風村雨気取りの海女姉妹を
「泳ぎの自慢な旦那でした。伊勢とかで育ったそうで、――こんな川へ落したところで、まさか死ぬ
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いて来られ、一と騒ぎやったとか、――箱根の湯女に追っかけられて、命からがら江戸へ逃げ帰ったとか、独り者の気楽さ
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いるが、札差の伊勢屋新六が殺されたとあっちゃ、八丁堀の旦那衆も放っておきなさるめえ。行ってやって下さいよ、親分」
翌る日の朝、八丁堀から笹野新三郎出役、とにもかくにも形式通り大町人の変死を取調べましたが、河童に
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いるので、一向話が進みません。ただ、尼は関西の生れで、五年前に旅に出たこと、この竪川に住み付いて一
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へ伴れて来られたのは、漁師の伊太郎でした。佃の者で四十男、伊勢新の釣に網のお供をさせられますが
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痛み出しました。他の方は酒がいけるので、安倍川なんかに手は出しません。甘いのがいけるのは、私とおさの姐
「でも、妙にほろ苦い安倍川でございましたよ。あんまり沢山食わなかったので、命拾いをしたのでしょう
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江戸の大通、札差百九人衆の筆頭に据えられる大町人、平右衛門町の伊勢屋新六が
伊勢屋新六は江戸の札差でも町人に違いはなく、まさか、金屏風をめぐらし、椎茸髱の腰元
村雨気取りの海女姉妹を手に入れ、さんざん弄んだ挙句、江戸まで跟いて来られ、一と騒ぎやったとか、――箱根の湯女
とか、――箱根の湯女に追っかけられて、命からがら江戸へ逃げ帰ったとか、独り者の気楽さも手伝って、底も果てもない放埒
「悪性男は、――江戸一番の分限と言いふらして、金無垢の鯉で私の父親をたぶらかしました
もの――、その間に、私ばかりは永らえて、はるばる江戸へ来たのは、あの悪性男に思い知らせるため、――そのうち師の
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「酉刻(六時)頃ぎりぎり、金龍山の鐘が陰に籠ってボーンと鳴るのと、伊勢屋新六がドボンとやらかした
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「四半刻ありゃ、亀戸の天神様へ行って有難いお札を頂いて帰って来ますよ」
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生きた屏風に取巻かれて一本百両の竿に、高尾、小紫の生毛をつけ、竪川の――その頃はよく澄んでいた
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。――今日なども現に、同じ札差の道楽仲間、お蔵前の板倉屋忠兵衛に冷かされたのが基で、午刻過ぎから暮六つ
お蔵前まで往復一刻足らず、何もかも解ったところは、平次を落胆さ