江戸 百人町 大久保 日本橋 神田

―なア、相模屋さん、あっしはケチな植木屋、お前さんは江戸の長者番付にも載るほどの分限者だ。言わば提灯に釣鐘、――それは

百人町の重吉は良い男でした。ガラッ八の八五郎とは無二の仲で、

押込みがあったので、その足取りを辿るともなく、百人町の重吉の家へ来合せた平次。大久保小町と言われた、植木屋松五郎の娘

とにもかくにも小僧を走らせて、百人町の重吉を呼んだのはそれから四半刻（三十分）の後。

平次は百人町の番所へ飛んで行きました。係り同心の出役はまだ。番太の老爺と

「大方そうだんべい、――俺はすぐ煙草を買いに百人町まで行ったから、後の事は知んねえ」

くせに、去年あたりからすっかり、大弓に凝ってしまって、大久保の寮に泊り込みのまま、庭の※で一日暮すことの方が多くなり

木乃伊になって、大弓に凝り始めたという情報が、大久保にやっている下男の権治の口から店の方へ伝えられました

大久保の寮の留守番には、店中の道楽者茂七を置いて、出来ること

相手とも師範ともなるのは、同じ大久保のツイ近所に住んでいる浪人者佐々村佐次郎、これは二十六七、

辿るともなく、百人町の重吉の家へ来合せた平次。大久保小町と言われた、植木屋松五郎の娘お駒が、稽古矢に射られて

「大久保小町と言われたお駒さんですもの、町内の独り者は皆んな付け廻したと思っ

相模屋の若旦那新助は二十一、古い形容ですが、日本橋業平といわれる好い男のくせに、去年あたりからすっかり、大弓に凝って

寮へ引取らせ、すぐさま親の喜兵衛に来るようにと、日本橋の相模屋まで使いの者を出させました。

「日本橋で買いましたよ、特別上等の奉書で」

「そんな事だろうと思ったから、神田から一と飛びにやって来たよ」