八丁堀 本所 本郷 江戸 浅草 神田

付きそうもないので、与力の笹野新三郎は、とうに八丁堀へ引揚げてしまったのです。

よ。昨夜は宵の口から亥刻（十時）前まで、本所の友達のところで、花合せをやって遊んでいたと言うんで、真砂町

房五郎は評判のよくない男ですが、お駒は本郷切っての人気娘で、近いうちに、町内の酒屋、越後屋の次男の辰之助

御不例やら、勤向きの神妙さやらで、許されて江戸に帰ったのは、ツイ半年ばかり前のことだったのです。

四年前島へ送らせた上、御赦免になって江戸へ帰るのを邪魔し、一人で好い児になろうとしたほどの悪党で

―一生島で朽ち果てる積りなのが、たった三年で江戸へ帰ったのも何かの運、このまま安穏に暮せるものを、つまらない

ネ。明日の晩は節分で、夫は参会があって浅草へ出掛けるし、私は定吉と明神様へお詣りに行くから、その間

、一と通り検死が済んだ頃、主人の房五郎は浅草から帰って来ました。

「房五郎は浅草に居た、――これは新吉よりももっと多勢の人が証人になっ

遠方へ行って、亥刻（午後十時）前は本郷神田界隈に寄り付かねえ工夫をしろ」

。膝小僧がハミ出した狭い袷、髷の刷毛先の、神田っ子らしく、左へ曲っているのも間が抜けます。